口から出まかせ日記【表】

もうすぐゴールデンウィークですね(早)

「面影」を辿る観光。

皆様。待ちに待った夏休み、どうお過ごしでしょうか。え、仕事ですか。いやはや、ご愁傷さまです。そう、夏休みといったところで、子供たちなんて目を虚ろにして塾に通っていますし、いったい誰のための休みなのか分かりませんね。私みたいな無職の人間とか、気楽な大学生や、引退した人ぐらいしか、享受できないような気がします。

 

で、夏休みといえば旅行ですが、私なんか、たまに日帰りでもいいのでふらっと東京にでも行きたくなります。毎日ちょっとずつ、「東京に行きたくなるゲージ」がたまっていき、あるタイミングでドバっと溢れることがあるのです。なけなしのお金を払い、新幹線に揺られ(という表現は新幹線にはふさわしくない)、いつのまにやら上野駅に降り立っている。東京駅で降りることって、ほとんどないですね。東京観光の出発地点はほぼ上野からです。

 

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東京で自分が楽しめる場所となると、下町です。浅草、門前仲町、谷中、根津、神田あたりですか。適度にひなびた所が好き。これが入谷とか鶯谷となると、ちとひなび過ぎて、落伍感が漂いはじめてくる。歩いているだけで自分がダメになっていきそうで、それはそれで、大好きなのです。入谷あたりは、ひとりで泊まるなら安上がりです。一泊2千円くらいで拘置所みたいなホテルに泊まった経験がある。

 

渋谷やら六本木やら恵比寿やら白金やらお台場。ああいうところは、私にとっちゃ全部いけすかない場所です。別に消滅しても構わないと言いたいところですが、ちょくちょくご飯が美味しい店があるんで、そういうわけにもいかないのです。人生のようですね(?)。渋谷の道玄坂ムルギーという美味しいカレー屋さんがあります。東京に行くと必ず立ち寄るお店。おススメです。

 

www.murugi.net

 

 

急に真面目な話ですが、色々と観光をしてきた経験から、観光の本質とは何だろうなと考えたことがあります。それで、人にとって観光をするにあたり重要な要素とは何かといえば、「名残を感じさせるものがあるか」という事だと思います。

 

歴史の深い国々は、観光の対象として多くの歴史遺産を抱えて、保護しているわけですが、もちろんそれは観光資源として有効です。日本などはまさにそんな国で、どこへ行っても、古い歴史を感じさせるもので溢れています。そんな所で観光をするとなれば、史跡巡りが中心のプランとなるのは、ほぼ必然的です。

 

かつて栄華を誇った城下町の面影。かつて壮麗な城郭の経っていた面影を残す城跡。古来の民家の面影を残す集落。昭和の面影の残る商店街。無数に点在する「面影」が、観光のメインディッシュに成り得るわけです。なぜ人が面影に惹かれ、観光対象として確固たる価値観があるのかといえば、簡略な「タリムスリップ」ができるからですね。

 

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現在の時間と、過去の時間軸が織り交ざっているという環境において、人間はたくさんのことを感じられます。懐かしいと感じたり、古い匂いを感じたりといった様々な印象は、時間のブレがあるからこそ、その豊かな感覚を受け取ることができる。自分の生きている時代とか、いまこの瞬間を忘れて、別の時代に溶け込み、体感する。それが「面影」を観光する真髄なわけです。

 

そんな体験を存分にするにあたり、必要なのは間違いなく「知識」でしょう。知識といっても多様です。だれでも知っているお城とか寺社仏閣は、予備知識がなくてもある程度楽しめる。しかし、ブラタモリなんか観ていると、知識の持ち方次第でこうも楽しめるのか、というのが分かります。タモリさんが「ああ、ここは宿場町だったんだね」とか言いつつ、旧街道を歩いたりしている。といってもそこは今、普通の民家やコンビニが立ち並んでいる場所なのです。

 

しかしその場所の歴史性に通じていれば、周囲の情景を自分のイメージで変えることすらできる。旧宿場町を歩いているタモリさんは、同時に現役時代の宿場町を歩いてもいる。時間の軸を越えて旅をすることが可能なのです。人の倍は楽しめるのですよ。あ、なんかちょっと、冷房が効きすぎたのかお腹の調子が悪くなってきました。トイレに行ってきます。終わり。