口から出まかせ日記【表】

もうすぐゴールデンウィークですね(早)

絶対に見逃せない。ギークハウス大船渡の魅力スポット紹介。

八月五日から十二日までの七泊八日をギークハウス大船渡で過ごし、そこらを徘徊したり、うまいものを食べたりして過ごしたのはいい思い出です。今年の夏はなにも思い残すことはないなという感じ。では、いよいよ働くのかというと、いやまーねそれはまた別の話だしまた今度でいいじゃないすか、てへへ(*´ω)

 

今回の経験が、ギークハウスに興味を持っている人への一助になればとも思います。私のブログをご覧になり、ギークハウスに興味を持たれ、ぜひとも泊まりたい、入居したいという人が、3億人のうち3人ぐらいはいるかもしれない。そんな方のために、ギークハウス大船渡を訪れたら絶対に外せない、魅力あふれるスポットを紹介させていただきます。いっぱいありすぎるため、泣く泣く3つに絞ってみました。ご参考にどうぞ。

 

 

 【魅力スポットその① 梅宮辰夫】

 

初日。ギークハウスの玄関前に立ち、心細い気持ちを抑えながら、戸を開いた私を最初に迎えてくれたのが、辰夫兄サンでした。

 

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「おう。なんだ。見ない顔だなぁ、お前」「あ、どうも……ろくな挨拶もなしにすんまへん。わたくし、ほし氏と申しますです」「おお、そういや新入りが来るとは聞いてたな。なるほど」「すんまへん、なんの手土産も持たねえで来ちまいまして……」「いや、そういうのは追々な……まぁ、あがれや……おい、アンナ。茶、出しとくれよ」と、まぁそんな具合で、この家の玄関をくぐったわけです。

 

 辰夫兄サンはなかなか御茶目な方ですね。このような場所にも顔を出されます。そして、新入りの私にも気軽に話しかけてくれるのですよ。

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「ほし氏君。あんた、前はどこにつとめてたんや」「網走で……」「ほぉ~ん。何年おった」「7年がとこ居りましたです」「あれや、網走の飯は美味いわな」「美味いです」「……誰をやったんや」「○○とこの××です」「なに使うたんや」「コルト、ワイヤー、土佐犬」「ほぉ~ん。あとでもっと詳しく聞かせてね」……と、その夜は非常に愉快な話も聞くことができて大変勉強になりました。皆様も、もしこちらに立ち寄る機会がありましたら、是非、辰夫兄サンと仲良くしてくださいね。

 

 【魅力スポットその② 世にも奇妙な椅子物語】

ギークハウス大船渡に来て数日……まるで数十年ここに住んでいたかのように、不思議と馴染む感覚の中で過ごしていた、ある日のことです。その日、私は掃除をしようと、年季の入った掃除機を出しました。ホースの所に大きな蜘蛛が張り付いていたので、「邪魔。お退き」と声をかけると、蜘蛛は速足で去りました。ここに住む蜘蛛は、人の言葉が分かるのです。

 

廊下を片付けたあと、キッチン周りの清掃を始めました。しばらくは何気なく掃除機をかけていたのですが、ふと、ある違和感を感じたのです。キッチンにはテーブルがあり、椅子が二脚あります。その椅子の一つには、ややファンシーな印象のウサギのクッションが載っている。

 

違和感というのは、そのウサギが載った椅子の形状です。改めてみると、椅子というには、違和感があるのです。それに近い形ではあるので、椅子だと思っていたものが、よく見れば、椅子ではない……異様な形をしている……。なぜ私は気づかなかったのか。

 

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意を決し、私はウサギを剥ぎ取りました。

 

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 「は………ッ」 衝撃のあまり、私は口を押えて後ずさりしました。そこにあったのは、洋便器でした。正確な名称は「洋風大便器」です。何故ここに便器があるのだろう。何故……。私は体が硬直してしまい、そこから一歩も動くことができませんでした。居間から聞こえる高校野球の応援歌。遠のいていく意識の中で縋るように、ひたすら耳を傾けるしかありませんでした。

 

 【魅力スポット③ 神秘のギーク川】

人の文化・文明はすべて、水のほとりに源を持つ。我々は、水と共に生きてきた。我々の体内にも無数の川が流れている。 ひとりひとりが、水の流れの集合体ともいえるのだ。そんな我々は、古来より母なる水を崇めた。それは今でも変わらない。どんなに文明や科学が発展しようとも、膨大な水の星である地球の神秘に、変わらず我々は驚嘆し、感謝し、畏敬を保ち続けるのだ。

 

ギークハウス大船渡に逗留して数日後の、ある夕方。私は6畳の和室にて、鼻毛を抜いていたのだが、突然の雷鳴と共に雨が降ってきた。

 

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 屋根瓦に雨粒のたたきつける壮絶な音が響く。庭にあった雑多な物もひっくり返ってしまった、と思ったが、そういえば元々ひっくりかえっていたものだった。とにかく、ものの数分も経たないうちに、家の前が湿地帯のように水を湛える光景に驚き、私はカメラのシャッターを切った。その後も雨は続き、すべてのものが水に浸っていくのだった。そして私は、驚愕の光景をそこに見る。

 

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 「ギーク川」である。束の間、私は我を忘れて、この雄大な光景に見入った。自然の神秘が、川のない場所に川を現出させたのだ。神話のような出来事。私は古来の人々の心象に触れた思いだった。確かに神はいる。現代に生きる私からしても素直にそう感じられた。人の力の及ばない領域というものはいつでも存在し続ける。人は恐れを抱くことなくして、この大地に居続けることはできない。そんな、人の存在概念そのものの承認のために、「それ」は在りつづけるのだ。

 

★★★

 

はい。いかがでしたでしょうか。私が厳選した魅力スポット、もしギークハウス大船渡に行く機会がありましたら、どうぞご覧になってきてください。最後に、ちょっと真面目な話をします。このギークハウス大船渡を、私が生活の拠点にしたいかというと、「う~ん」と、唸ってしまうのが正直なところです。

 

立地としては、周囲は森林や集落、畑に囲まれ、商店などはありません。最寄りのコンビニまでは4キロほどの距離があります。中心市街地には、生活に必要な商店や施設は充実していますが、距離的に6キロほどあります。車やバイクといった移動手段は欠かせません。自転車で往復されている住民の方もいらっしゃいますが、大変そうだなという印象です。

 

ギークハウス大船渡の生活環境に関しては、私は夏の良い気候の時に行ったので直接は感じませんでしたが、それ以外の季節に関しては、過酷だろうという印象です。冬は、室内でテントを張り、その中で生活をしているようです。また、設備の貧弱さも気になります。お風呂には入れません。夜間電力でお湯を沸かすので、住民全員がお風呂に入れるほどの湯量が無いのです。冬でもシャワーになります。

 

それから生活の光景として、男性特有のものぐさな感じが充満しているのも、気になります。シンク周りとかの調理器具を扱う周辺の汚れを見ると、大船渡には豊かな食材があるのに、私は調理をする気が起こりませんでした。トイレや廊下、共有スペース、あらゆる場所が掃除不足です。

 

また、庭には、何か工作をした際の破片や木切れが散乱しており、ギークハウス大船渡のアイドル犬「空(そら)」の住環境も良くありません。外水道が見当たらず、掃除に手を付けることが難しく感じます。それから、庭のところどころに灌木が生えて背を伸ばしており、「再自然化」が進んでいます。手を打たなければ、そのうち自然に飲まれるでしょう。

 

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生活環境の「荒れた感じ」は、なにも住民の方がサボっているからというわけではありません。住民の方は朝から晩まで「地域おこし協力隊」として働いていますので、そもそも時間の捻出の課題がある。それに加えて、設備の不備や、環境要因といった、あらゆる要素の複合として出てきた「疲弊感」に近いものかもしれません。

 

対応策としては、シェアハウスらしく、サービスレベル(家事や清掃の度合い)に関して取り決めを行い、どの程度の清掃を定期的に行うかや、掃除当番のローテーションを定めたりと、生活における「ルール設定」を明確にすることです。他人同士のコミュニティを存続させるために、ガバナンス的な取り決めは必要でしょう。ギークハウス大船渡には管理人が同居していませんから、自治は独自に行う必要があります。

 

あと、無理に地域おこしだとか、建設的な事業に取り込ませることのない、「フリー」な人間が住んでくれると助かるかも、という気がします。ある程度几帳面で、掃除を日常的にやってくれるような人。ギークハウス大船渡は、地域の外から来た人間を受け入れるための、一時的なフックとして機能させることを重視していると感じますが、そのギークハウスを存続させるために、行動に縛りのない人材が確実に要ると思います。

 

あとは、掃除要員を定期的に募集するとかです。ツイッターにでも呼びかければ集まるかもしれません。もちろんタダではなく、せっかく大船渡に来てくれるのですから、美味しいものをご馳走してあげてください。とにかく、外部から来た人にサービスをすることです。地域は今、静かに紛争をしているのです。生き残りをかけている。サービスのできない地方自治体は、やがて死ぬでしょう。