口から出まかせ日記【表】

酢の物が美味しい時期になりまして。

北海道に飼いならされました。

の前、段ボールいっぱいに北海道産のジャガイモが届いた。北海道に住む親戚が送ってくれたのだ。このジャガイモは本当においしい。肉じゃがとかシチューに入れるのもいいけれど、余計な事をしないで、ただ茹でて、マヨネーズをかけて食べるのが一番おいしいかもしれない。

 

親戚からは毎年毎年、定期的に美味い食材ばかり送ってもらい、頭が上がらない。冬になると、毛ガニや筋子なんかが届き、毎年のように舌鼓をうっている。おかげさまで、北海道という言葉を見たり聞いたりするだけで、唾液が大量に分泌される体質になってしまった。まるでパブロフの犬である。北海道に飼いならされている感がある。

 

それも仕方ないよなぁと思う。だって北海道だぜ。勝てねえよ。日本国内で北海道に太刀打ちできる場所が他にあるかい。せいぜい、京都と沖縄くらいじゃないか。その二か所だって、食材に関して言えば北海道に負ける。京野菜と北海道の毛ガニを並べてみよう。どちらがよりデラックスに感じるだろうか。沖縄のマンゴーと夕張メロンを並べてみよう。まぁこれはなかなかいい勝負だと思うけど。

 

なんというか、北海道という場所には、日本国内の他の地域とはまるで異なる物量と質量を伴った、強大な力を感じる。そんな豊穣の土地に、認めざるを得ない美味いものが豊富に存在するというのは、一種の特区という感覚だ。

 

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たぶん北海道のスケールを、日本国内のスケールで測ること自体が間違っているのだ。北海道と比較すべきは、国家だ。北海道とカナダ。北海道とフランス。北海道とノルウェー。北海道とドイツ。北海道とニュージーランド。どうだろう。まったく見劣りしないじゃないか。

 

北海道の親戚から美味しいものを送ってもらうのは幸せだけど、そのお返しに何を送るかには、いつも苦心させられる。親戚は「お返しなんていいのよぉ~」というけれど、そういうわけにはいかない、人として。それに、美味しいものを貰った分、こちらも厳選した美味しいものを送って喜ばせてやろうという、仄かなライバル心もあるわけである。

 

私の地元は「果物王国」という異名を持つ場所でもあり、夏から秋にかけては名物がたくさんある。皇室にも献上している、上質な桃とか梨があるのでそれらを送る。親戚からは、「美味しかったよぉ~、北海道ではこんな美味しいものないからね~」と、謙遜すぎる反応をいつも頂く。

 

逆に、それ以外の季節で何を送るべきか迷う。北海道産のジャガイモのお返しに、地元産のジャガイモを送るというのも微妙だ。すると、季節に関係ない銘菓あたりが無難になるが、これがちょっと弱い。ままどおるいもくり佐太郎太陽堂の麦せんべい、と聞いて、イメージできる人がどれだけいるだろうか。まあ、だからこそ地元のPRとしてあえて送るというのもいいが……。

 

あと、自信を持って提供できるものとしては地酒があり、箕輪門とか飛露喜あたりを送っておけば酒好きには喜ばれるが、あいにく、親戚は下戸である。しょうがないので、今回はお隣の仙台の名物、萩の月でも送ろうかな……どうしましょうね。