口から出まかせ日記【表】

もうすぐゴールデンウィークですね(早)

手が冷たい男です。

うにもならないことの一つや二つは誰にでもあると思いますが、私の場合、手が冷たいのがどうしようもありません。冬場になると、手から血の気が失せて、氷のように冷たくなってしまいます。よく、「手が冷たい人は心の温かい人だよね」みたいなことを言う人がいますが、ありゃ、まったくもって嬉しくもなんともない。手はいつでも温かいに限りますよ。

 

手が冷たいのは、遺伝かもしれません。母親も祖母も普段からとても手が冷たい人です。母親に、「手が冷たくて得した事ってある?」と聞いたら、「インフルエンザに罹ったとき、おでこに自分の手を置くと気持ちよかった」という答えで、逆にそれ以外でなにも得をしなかったことを示唆しているわけです。

 

手が冷たいのは、ちょっとしたコンプレックスです。なにより、誰かと手をつなぐのが恥ずかしい。子供の頃、好きな友達と手をつなごうにも、なんだか遠慮してしまう。いざ手をつなぐと、「うわぁ~、ほし君、手がすごい冷たいよ~」とびっくりされる。逆に友達のほっかほっかの手の温かさに驚愕するのです。なんでこうも同じ人間同士で、まるで違う手をもっているのだろうと。

 

成長して大学生にもなると、若いおなごと手をつなぐ機会もあったのですが、厳しい経験をしました。「ほし君、ハンパなく手が冷たいんですけど~」と言われることが何度もありました。手の冷たさを何とかしようと、おなごと会う前にそのへんを一周走ってきたり、スクワットを20回してから手をつなぐなど、工夫というか、騙しだましやってきたのですが、抜本的な解決にはなりません。

 

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 手が冷たいというのは、仕事上でも影響します。私の前職は介護職でしたが、施設の利用者とのスキンシップは重視される要素です。というか、利用者の方から積極的に触ってきます。すると、「なんであんたの手はこんなに冷たいのかねぇ~」と心配され、逆にその人に手を温めてもらうこともしばしば。

 

あと、体に軟膏を塗ったりとか、肌に直接触れて処置をするような場合、手が冷たいと相手から遠慮されることが多い。もちろん手袋を装着して処置をしますが、手の冷たさは相手に伝わります。あとはおむつ交換だとか、着替えの手伝いをするときに、相手に私の手が触れることもあります。手の冷たさで相手を驚かせてしまったり、不機嫌にさせてしまったり。冬になると憂鬱でした。

 

手の冷たさを、死んだ祖母は心配していました。彼女は薬酒のようなものを作るのが趣味で、薬草が丸ごと入っている、茶色い液体の詰まった瓶詰めを保管していました。ある時、「手が冷たいならこれを飲むと良い」と言われ、なんだか、小さいひまわりみたいな草が入っている瓶から、琥珀色の液体を茶碗に注ぎ、それを飲むようにいいました。

 

味はよく覚えてません。すぐ体が温かくなり、手もホカホカになりました。「お、凄い、手があったかいぞぉ~」と感動していたのもつかの間、真冬だというのに大量の汗をかき始め、しかも、体が急に寒くなってきて、手も冷たくなってしまい、こたつに飛び込んだんですが、震えが止まらない。

 

「おばあちゃん寒いよ~」というと、ニコニコしながら、「だいじょーぶ、やっぱり若いから効き目がいーんだなぁ」と、ぜんぜん話にならない。30分ぐらいで震えも収まって、体調も戻りましたが、手は冷たいままです。謎めいた薬酒は祖母の死後、すべて処分しました。

 

今、このブログを書いているその手も冷たいです。時々、両手をわきの下とか、お尻の下に挟んだりして、暖を取っています。手の冷たさとは一生戦っていくような気がしてなりません。もし、手の冷たさを解決した、という方がおられましたら、どうかご教授をお願いします。神よ私にホットな手を与え給え。