口から出まかせ日記【表】

うがい、手洗い、納税。

昼休みに徘徊するのが好きでした。

イトルが過去形なのは、現在の身分がプー太郎だからに他なりませんが、ちょっと前までアリのようにせっせと働いておりました。その時の蓄えがあるからこそ、キリギリス生活が出来ているのです。仕事が楽しいと思ったことはそんなにありませんが、昼休みは大好きでした。

 

仕事から一時解放されて、束の間の自由を与えられる時間。制限時間があるのが、かえってエキサイティングであり、イマジネーションが刺激されるのです。「今からあそこの定食屋に行って、昼休みのうちに食べ終わって戻ってこれるかなぁ」なんて考えるわけですが、実際に行って食べて満足して、ギリギリの時間に戻ってこれたときなど、なんとも言えない満足感がありましたね。

 

弁当なんかを持参している時は、さっさと食べて片づけてしまい、外に出て悠々とぶらつくのが好きでした。職場が街の繁華街に近い頃は楽しかった。本屋で立ち読みしたり、酒屋を物色したり、ちょっといい服屋に入って上質なコートの生地を触ってみたりとか、自由気ままに歩きまわったもんです。

 

路地に入り込んで、スナックや居酒屋、いかがわしい店を眺めながらぶらぶらしたり。近くの神社や寺に行って拝み、境内のベンチに座って、時が静かに流れるのに身を任せたりして。自由というのは喧騒と喧騒の狭間にしか無いもんなんだなぁ、みたいなことを考えたりしていました。

 

    f:id:star-watch0705:20200115110508j:plain

こんなことを書いていると、「さてはお前、友達いなかっただろ」と誰かに言われそうですが、有難いことに、どの職場でも仲の良い人はできました。でも、「ちょっとその辺ぶらつきません?」と誘ってみても、「外寒いし、中にいるわ~、ごめん」などと言われてしまうのです。

 

不思議だと思っていたのが、仕事の空気感が残っている場所で、よく休めるよなぁということです。さっきまで黙々と仕事をしていたその机で、昼休みになればお弁当を食べて、スマホをいじり、そのまま仕事に移行する。トイレやタバコを吸いに行くぐらいはしても、ほとんど場を動かない人がたくさんいるのです。

 

自分は、働いていない今もそうですが、一日一回は外に出ないと息がつまります。風景を眺めつつ歩き、外の空気を吸うことで、気持ちが切り替えられるからです。ただ、この感覚が誰でも当てはまるわけではないのでしょう。「気の持ちよう」と言いますけど、ひとりひとり、気持ちの切り替え方、心の休め方は違う。

 

雑然とした落ち着かない環境でも、気にせず休める人もいるし、私みたいに一時的に仕事場から離れないと休めないという人もいる。もしくは、自分の家でしか休めないから、仕事先ではどこにいても同じだという人もいるでしょう。

 

大事なのは、その職場が、人それぞれの休み方を尊重できるかということです。このあたりが、あまりよくない職場も経験しました。昼休みをグループでとる文化が職場内にあると、お弁当を突き合わせながら、ここにいない誰かの悪口とか噂話になる。こういうのは遠慮したい環境です。今後、どこか職場を選ぶとしたら、給料が良いとか、建物が立派かどうかとかじゃなくて、昼休みにひとりひとりが自由に過ごしているかで判断したいです。