口から出まかせ日記【表】

もうすぐゴールデンウィークですね(早)

にわかの人はありがたい。

ないだ、パンダみたいに寝っ転がって、夕方のニュース番組を観ていたら、「にわかラグビーファンが増えてます」という内容をやっていました。去年のラグビーワールドカップの後に、すっかりラグビー観戦が趣味になった人が多いというのは、納得ですよね。日本代表の試合は私も観てまして、その当時はすっかり「にわかラグビーファン」でした。

 

「にわかラグビーファン」の人も、古参の人から訝しがられるわけでもなく、むしろ歓迎されているようでした。ラグビーはルールが難しいですから、詳しい人に教えてもらうと勉強になるし、ちゃんとファンとして定着してくれれば、ラグビー界にとっては良いことと思います。

 

ただ、違和感もあるんですよね。別に「にわかラグビーファン」なんて言わず、「ラグビーの入門者」とでも呼べばいいんです。報道番組での呼称なら尚更、そっちの方が俗っぽくない洗練された表現になると感じます。

 

なんというか、世間的には「にわか」という言葉が、「飽きっぽい」「ぽっと出」「ミーハー」みたいなネガティブな印象を持つことを承知していて、敢えて「にわかラグビーファン」という言葉で人を釣り、「にわか」だけど邪険にされてないという情報を与えることで、視聴者を安心させる。そんな効果を作るための、制作者側の意図を感じられて、「あざとい」と感じさせる表現でもあるわけです。まあ、私の主観でしかないですがね。     

 

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で、さらに主観に主観を重ねて言わせてもらうと、「にわか」と「古参」の差って、そんなにあるもんでしょうか。10年とか20年の経験差があるなら、「まあ、けっこうあるよなぁ」と思うと同時に、「そんなもんか」とも思うんです。1020年なんてあっという間じゃないですか案外(笑)。それに、20年間ファンを続けても、その後まったく感心が切れてしまったら、ファン歴は更新されず、後からファンになった人にファン歴で抜かされたりとか、なんだか諸行無常なところがありますね。

 

あと、よく古参のファンが、「にわかのくせに」なんて話してるのを、私は実際に聞いたこともありますが、その古参の人もかつて「にわか」だったわけです。だから、初心者の気持ちも理解できると思うんですがね。古参の中で、入門者に配慮が出来たり、丁寧に教えたりできる人は、その人自身にファンが出来たりして、生きがいにつながるんでしょう。

 

それに、重大なことですが、にわかの人が全くいなくなれば、そのジャンルはいつか絶滅します。新しいファンが現れるからこそ、資金が巡り、環境が整備され、大々的に宣伝されて、また新たなファンを獲得し、さらに巨大な流れができる。スポーツならば、選手とファンというのは、その流れの源流に位置します。

 

それなのに「にわかのくせに」なんて新しいファンを邪険にするのなら、結局その人は、自分が応援しているものの破滅に加担しているわけです。その人が実感しているかいないかは知りませんが。そう、むしろ「にわか」の人はとてもありがたいものです。なるべくその人たちにとって居心地のいい環境をつくることで、自分たちの好きなものが存続するカギになることをちゃんと理解しているファンが、一番のファンなのだと思います。