今週のお題「ねこ」……ということですが、うちで猫は飼ってません。ただ近所に野良猫、じゃなくて地域猫がたくさんおり、今日も朝から庭をブサイクな顔で横切ったりしているので、ほとんど飼ってるようなもんです。
今までいろいろペットは飼ってきました。カメ、クワガタ、カブトムシ、ハムスター、金魚、ザリガニ、ドジョウなどなど。ここ10年ぐらいは何も飼ってません。東日本大震災後に、被災地に置き去りにされたペットを見てから、飼う気がまったく失せてしまいました。
私の母によれば、昔は犬も猫も飼っていたようです。私が生まれる前のことですが。特に猫の話題は今でもよく出ます。当時は近所でもかなり有名な猫だったそうです。イケメンで、喧嘩が強く、雌猫にモテた、それはそれは漫画の主人公のごとき雄猫だったようです。
名前は「レオ」です。ジャングル大帝のレオから付けたと母が話していた気がする。親戚から譲ってもらった猫だそうです。種類は聞いてませんが、色は灰色で毛がふさふさしていて、目が青かったそうなので、ラグドールかなんかじゃないかと。
そのレオですが、武勇伝ばかりのやんちゃな猫だったそうです。毎日毎日、私の祖母のブラッシングを受けた後、外に飛び出していき、夕方家に戻ってくるという日常を送っていたらしい。喧嘩ばっかりしていたようで、帰ってきたら血まみれだったり。が、レオの体には傷ひとつ見当たらない。どうやら他の猫の返り血だったようです。
猫のくせに水が平気なので、人間用のシャンプーとリンスで毎日体を洗われ、いい香りがしたようです。そりゃモテるに決まってる。あと、ちょうど同時期にオウムを飼っていたようですが、あるとき、鳥籠に鍵をかけ忘れてしまい、鋭い鳴き声がしたので行ってみたら、血の付いた羽が何枚か落ちていたらしい。ずいぶん探したようですが、見つからなかったそうです。
ある日、レオはいつものように外に出かけたのですが、夕方になっても帰ってこなかったようです。家族中で探したけれど見つからず、張り紙などもしたけれど、連絡は来なかったらしい。二週間ほど経ったころ、レオが自分から戻ってきたそうですが、全身血まみれ。しかも、返り血ではなくてレオ自身の傷によるものだったようです。
近所の人の話だと、「隣町に凄い猫がいる」らしく、レオはその猫と戦いに行って、敗れたのかもしれません。傷の手当てをしたのですが、数日後、ちょっと戸を開けた隙に外に出て行ってしまったそうです。その後いくら探しても見つからず、ついに諦めが付いたころ、私が生まれたようです。
レオの写真がどこかにないか、家のアルバムを探しましたが見つかりませんでした。母にも探してもらったんですが、見当たらない。そもそも写真は撮ったのと聞いたら、「いっぱい撮ったはず……」となんだかよく分からない答えです。レオは本当に消えてしまったようです。それとも、レオというのは母親の空想の中にしかいない猫なんじゃないかと、現在これを書きながらやや疑っております。
(上の画像の猫はもちろんレオじゃなくて、しばらく前にうちの庭によく来ていた子です。かわいい顔をしていたのでよく覚えています。この子も急に姿を消してしまいました)