口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

褒め殺してくる人。

本的に、怒られたり呆れられたりすることの多い私ですが、ごくまれに、「なんでこの人は、やたら私を褒めてくるんだろう。何か裏があるんじゃないか」と思うほど、大げさにこちらを褒めてくる人と出会う事があります。「褒め殺し」って言葉がありますが、これに近いような。こちらの行動や考え方、そういったものをいちいち持ち上げてくるわけです。特に今まで実害があったわけじゃないですが、後から思い出すと、あんまりいい印象は残っていませんね。

 

車の免許を取るため、自動車教習所に通っていた頃。もう10年以上前です。教官の教え方はバリエーションに溢れていて、パワハラ全開のような人もいましたが、ひとりだけ、やたら褒めてくるおじさんがいました。横断歩道で停まったら、「偉い!!」と褒める。カーブを曲がったら、「素敵だね~!!」と褒める。S字クランクをクリアすると、「才能ある!!」と手を叩いて褒める。とにかく褒めて褒めて褒めちぎるのが、この人の指導スタイルのようでした。

 

不思議なもので、最初のうちは褒められると素直に嬉しいですが、褒められることに慣れてくれば、逆に不安になったり、その人の事が信用できなくなってきます。「間違いなくあなたなら大丈夫でしょう!!」とか言われても、「この人の大丈夫は信用できるのかなぁ……」と、疑いを持つようになります。でも、無事一発で免許は取れたわけで、この人の教え方が間違っているわけでもない。ようは、この人にとって仕事のしやすい態度だったり、もしくは効果的な指導法だという認識が、そうさせているのかもしれません。

 

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あと、数年前に介護士の初任者研修を受けていた頃、教室で座学をしていた時期ですが、私の真後ろの席に座っていたおじさん(おじさんばっかりですねそういえば)が、やたら褒めてくる人でした。「褒め殺し」と言っていいかもしれません。私の発言、態度、容姿、靴ひもの結び方、髪型、字の形。なんでも褒めてくる人でした。研修に通うのがちょっと憂鬱になるほどに。

 

研修ではグループ学習も設けられており、時間内で課題に取り組み、それを発表することもありました。困るのは、そのおじさんがやたら私のアイディアとか意見を持ち上げて、他の人の意見を肯定する態度を見せない事でした。その人は、自分が気に入った人と、気に入らない人への態度が、竹を割ったようにはっきりと別れているのですが、共同作業においてもそれが一貫していると、「この人と一緒に仕事をした場合はめんどくさそうだな」という印象は拭えません。

 

他の人に対する配慮も余計にかかります。「私からすると○○さんの意見も素晴らしいと思います」と、場の雰囲気の悪化を防ぐため、積極的に他の意見を肯定する発言が必要だったり。これは多様な意見を取り上げる事にもなり、案外、功を成しているとも言えます。とはいえ、それは結果論でもあり、純粋に「多様な意見を尊重しよう」という共同意識の前提があるのとは、少し違いますよね。

 

私にとって、積極的に他人を褒める人は同時に、積極的に怒る対象があるものだと考えているのですが、そのコントラストがハッキリし過ぎていると、「心の制御ができない人物」のように思えて、未熟に映るのかもしれない。その態度が、その人自身意識してやっていることなのか、それとも素の態度がそういったものなのか、それを見極める前にその人との関係が解消してしまったため、不信感を残したまま記憶されているのかもしれません。