口から出まかせ日記【表】

もうすぐゴールデンウィークですね(早)

油が怖かった。

 

接で、「苦手だったものを克服した経験があれば、なにかお話しください」などと言われたら、「はい、これはまだ現在進行形なのですが、私は油への恐怖を克服しつつあります。こないだも、がんばってひとりでエビフライを揚げました。家族からも好評でした」と、胸を張って答えると思います。

 

わたしはずっと油が怖かったんです。油といっても、炒め物で大さじ一杯ぐらい使うぐらいならどうってことはないです。でも、大量の熱い油が鍋の中でグラグラしていると、恐怖感を感じます。母親が唐揚げを揚げている時は近づけませんでした。あと、何らかのトラブルで油がひっくり返ったりするイメージが頻繁に湧くので、誰かが油で調理をしている時は心が休まりません。

 

なんでそんなに油が苦手なのか、思いつくことが二つあります。ひとつは、子供の時に絵本で見せられた地獄絵です。鬼が人間を残忍な方法で責め立ててる絵がありますよね。その中に、大量の油が入った鉄鍋の中に人間が生きたまま入れられて素揚げにされているのがあって、うわぁ、嫌だなぁ、こうなりたくないなぁと、心の底から思った記憶があります。

 

もうひとつは昔、祖母が生きていた頃、揚げ物の番をさせられていたこと。脇で祖母が野菜とかを切っている隣で、天ぷらが揚がるのを見守ったりするお手伝いです。子供の背丈だと、鍋が顔の高さに近いから、油が跳ねると顔面に当たります。これが凄く嫌でしたね。熱した油って予想できないところがあって、ちょっと水分が入ると派手に音が鳴ったりするし、そういう安定していないところも怖くて嫌いでした。祖母の家に行くと、たまにこれを手伝わされるので、一時期まったく足を運ばなくなったほどです。

 

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油へのトラウマを抱えたまま、すっかり大きくなってしまいまして、でも、私自身は揚げ物が大好きです。それなのに怖くて揚げ物が作れない。これはちょっと人生の何割かを損してるんじゃないかと感じまして、油への恐怖をなんとか克服したいなと、ここ半年ぐらいの間、独自に油に対してのトレーニングを行っていました。

 

どうやるかというと、まあ簡単です。鍋に油を入れ、火にかけて、高温になるのを待つ。熱くなったら、菜箸で油をつついたりしつつ、油をじっと観察するだけです。慣れてきたら、ちょっとだけ箸の先を水で濡らしてから油に入れてみたりとか。最初はバチバチ音が鳴ると、「うおー」とか叫んでましたが(笑)、だんだん慣れて怖くもなくなりました。

 

やっぱりというか、恐怖感を克服するには観察が一番なんでしょうね。自分の場合は、油がどういうものか分かっておらず、無駄に怖いものだと錯覚していたのが大きかったんだと。たぶん子供の時に見せられた地獄絵がけっこう効いたんですよ。油=拷問の道具みたいな刷り込みがされたんでしょうね。もし自分に子供ができた時は、地獄絵みたいなくだらんものは見せないことにしますよ(笑)。

 

油を克服したばかりなんで、揚げ物の腕はまだまだ初心者です。てんぷら粉の溶き方とかよく分かりません。冷凍のエビフライやらコロッケなら問題なく揚げられます。これから挑戦したいのが、かき揚げとか、春巻きですね。世界がちょっとだけ広がりました。良かったです。