ここんところ普通に雪が降ります。 隙あらば降ります。雪が積もって、雪かきをして、ちょっと疲れたからこたつに入ると、また雪が積もり、また雪かきをして……。いちおう東北地方に住んでるんですが、日常的に雪が降る冬って久しぶりだなという印象。ここ数年はたまにドカッと降るけど、あとは全然降らないみたいな感じだったような。
こないだも朝方に雪が降り、玄関を開けると、道路に積もった雪の上にぽつぽつと動物の足跡が残っていました。じっと眺めているうちに、（お、そうじゃ。雪が融けないうちに動物の足跡を辿って行ったら面白いんじゃないかなぁ。いや、きっと面白いと思うなぁ。つくづく俺は自分が楽しめそうなことを思いつく天才だなぁ。ぶへっ、ぶへへっ）と思い、暖かい格好をして、足跡についていくことにしました。
そしたらやっぱり面白かったです。このあたり近辺に住む、人間も含めた動物の動きが丸わかりだからですね。猫の足跡についていくと、あるところで唐突に足跡が消えていました。周りをきょろきょろ探してみると、私の頭と同じらいの高さの柵の上に足跡が続いていて、さらにそこから屋根に飛び移ったらしく、猫の体の形の窪みが出来てました。あんなとこまで猫は普段から歩いてるんだなぁと感心します。
人と犬はセットになっていて、人の足跡の横に犬の足跡が並ぶんですが、なんちゅうか、猫と比べると足跡を残すのが下手なんですね。人も犬も雪を跳ね散らかしながら歩いてるから、足跡が崩れてるんです。猫の足跡は不思議で、ほんとに足跡の形だけがひたすら白い雪の上に続いているだけなので、とても上品な気がします。でも、猫の真似をしようとしても駄目なんでしょうね。生まれ持った何かが違うことが、足跡を通して感じられそうでした。
あと、ある場所で無数の足跡がぐるぐるしてることがあって、いったいなんでここだけ足跡がいっぱいあるんだろうみたいな、推理を要求されますね。足跡にしては大きすぎる窪みが出来てたりして、なんだろうなと思って、あ、これ、誰かのお尻だなと気づいた時の幸福感、いいですよね（？）
たまに人でも犬でも猫でもない足跡を発見するとテンションがあがります。ちょうど上の画像ですが、鳥の足跡です。たぶんアヒルとかじゃないと思うんですよ。水鳥の足は水かきが付いてるから、こういう形にはならない。スズメみたいな小さい鳥なら胴体の形ごと跡がつくはずだし。とすると、カラスかもしれないし、ダチョウかもしれないし、なんとかザウルスかもしれない。頭の中で想像が広がっていく。
そんなことやってるうちに、靴の中がすっかりぐっちゃぐっちゃになったので家に帰りました。その日のうちに道路の雪は融け、足跡はすっかり消えてしまいました。寒いのは大嫌いですが、寒いからといって楽しむことを諦めたくないので、雪に残った足跡に興味を見出せたのは良かったと思います。ということで、「全日本雪の上の足跡を愛でる会」の総会長に勝手に就任しましたほし氏です。よろしくお願いいたします。
Fleet Foxes - White Winter Hymnal [OFFICIAL VIDEO]
冬ごもりしながら聴きたい曲といえばこれ。
