口から出まかせ日記【表】

もうすぐゴールデンウィークですね(早)

期待に応えない図書館を愛する。

 

読んでますか。私は読んでいます。あなたは読んでいますか。え、読むのは奥さんの機嫌ばかりだって? いやぁご苦労様です。なんだこれ笑。まあ、今回はなんとなく読書の話をしたかったんです。思うんですが筋トレと読書って似てる気がしませんか。習慣として根付くのに時間がかかるけど、身についてしまえば日常生活と一体化するほど身近になる感じが似ている気がする。


それなのに、ちょっとした環境の変化によって儚く崩れ去りやすいのもまた似ている気がします。ちょいと忙しくなったりするだけで、積み上げた習慣を容易く手放したりとか。そんでもってある日、テレビで国分太一なんかの顔を見ていたらふと、「そういや最近筋トレ(読書)してねーじゃん」と気づいたりする。そんでもって再び習慣を根付かせるリハビリを行い、再度日常に組み込まれていく。そんな感じで人生において、浮上と沈静を繰り返すところも似ている気がする。さっきから気がするばっかり言ってる気がする笑


ダンベルやkindleといったツールを購入して揃えたところで、習慣性が付くとも限らないところもまた似ています。だからこそ筋トレならジムに行き、読書なら図書館に行くように、場所と習慣性を紐づけて日常に組む込むのが大事な所も似ていますよね。そんな感じで、私はジムには行ってませんが、会社が終わったあとで近くにある市立図書館に寄ります。30分ぐらい滞在し、気になって借りた本を家で完読することもあれば、結局一頁も開くことなく返却するなんてこともよくあります。


同じような感覚の人たちなのでしょうか。図書館に寄ったときに見かける顔ぶれがほぼ同じなのですよ。スーツやつなぎ服や遊戯王のTシャツなんかを着た、いつものおっさんやお兄さんが静かに佇んでいるのです。私からすると「あ、またこの人か」と思うんですが、相手からすると「こいつ、いつも見かけるよな」などと思われてるかもしれません。まあ特に交渉があるわけでもなく、皆それぞれの世界に浸っています。ブルーバックスしか読まない人。料理本を机に積み上げて熟読する人。検索用パソコンの前から動かない人。窓際に立ってひたすら外を眺めている人。

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そこは通い慣れている図書館ですし、特に大きな不満があるわけでもないですが、不可解だと思う事もあります。例えばある作家さんの本のチョイスで、「なんでこの本は置いてあるのに、肝心のあの本は置いてないんだ」みたいなことがけっこうある。多作の作家さんで小説だけでなくエッセイ本も書くし、どっちもそれなりに人気があるような感じの人だと、図書館によって置いてあるタイトルもバラバラでジャンルも偏っていたりなんてのはよくあることです。ただ私が普段寄るその図書館は、偏りがなかなか強くてクセがあるんですね。


便利なので村上春樹さん基準で行くと、『ノルウェイの森』とか『海辺のカフカ』なんてのはベストセラー本ですから、普通どこでも置いてあるもんじゃないですか。そこには全くありません。でも『パン屋再襲撃』はどどーんと置いてあります。あと、村上さんはエッセイもよく書いてますけど、『アンダーグラウンド2』はあるのに、『アンダーグラウンド』が無かったり、『村上ラジオ3』はあるが、1と2はないみたいな、中途半端なチョイスっぷり。誰かが借りてるから無いのではなく、元々無いみたいです。


だから、「ノルウェイの森ってそういやぁ読んだことねえな」と思ってきた人の期待には応えられない図書館なのです。アマゾンで注文しましょう。そんな感じで、ある特定の作家やジャンルに関しては妙にこちらの期待に応えてくれる一方で、まるで期待に応えてくれないところもある。そんな、痒い所に手が届くような届かないような中途半端な図書館なのですが、もしここが閉鎖してしまったら私は泣きます。


もちろん自分が探してる本が無かったら、他の図書館に行くなり注文するなりダウンロードするなり解決法は満ち溢れている。ただ図書館の蔵書の雑駁感というのは、選択の限界性の中で、何か面白いものを見つけたり新しい発見をするのにはうってつけなんです。図書館も結局は自分のではない他人の本棚の延長でしょう。となると、そこに自分の趣味との一致を見出すのもいいけれど、それとは別に、これまでの自分の興味とはまるで関係ないものに手を出す可能性があること。それが寧ろ、図書館の持つ自然な価値観だと思いますし、ますます貴重になるような気がする。ということで、私も人の期待には応えたり応えなかったりしながら自然に生きたいと思います。

 

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宇宙に書籍を並べた図書館を作るのは大変そうだ。未来の図書館はタブレットが並んでるか、VR青空文庫みたいになるのかも。あと、今年はかなりいい良書に巡り合ってるので、年末あたりにでも書籍のレビューをしたいです。