口から出まかせ日記【表】

もうすぐゴールデンウィークですね(早)

浅草から(ほぼ)出ない旅【指南編②】

 

回より、浅草での観光を楽しむためのアドバイスを色々書かせてもらっていますが、その続きとなります。

star-watch0705.hatenablog.com

今回もけっこうガッツリ書いていますので、休み休み読んでください。なんだったら途中で諦めてもらっても構わない。あと、「浅草から(ほぼ)出ない旅の(ほぼ)っていったいなんだろう」と思われていた方。今回でようやく謎が解けますよ。まるで期待にそぐわないことを期待頂ければと思います。

 

【指南その④】細部を愛でる。

前回は指南その③で終わっていたので、➃から始めます。ところで浅草の周辺は、目的地を点と線で結びやすいところです。浅草寺の次は花やしきに行って、その次は東京スカイツリー、それか上野動物園、みたいにどんどん切り替えていけます。地下鉄を使えば移動もラクですし、一日を通して浅草に留まって観光する人のほうが少数派かもしれません。


しかし、あえて一日を掛けて、ひとりで浅草をじっくり見物するような場合は、ひとりであるこその自由度を生かしたいものです。目的に囚われず、誰にも急かされず、でも、ケチだからなるべくお金を使いたくないなぁ、と思っていたとする。

 

そんな貴方が浅草でなにを楽しむか。これはもうじっくりと「細部を愛でる」のはどうでしょうか。浅草を形作っている意匠や、由来に関する文章をじっくりと眺めて、ひとり「ほほ~ん」と感心したような声を上げる。これが一番安あがりです。

  
見事に掘られた龍の意匠。どのへんにあるかというと、

  
浅草寺の本殿の手前、宝蔵門の真ん中に釣り下がっている大提灯の底に掘られています。門前は写真を撮ることに夢中な人ばかり。なかなか提灯の底まで覗く人は見かけませんでした。

  
それから、浅草寺の仲見世通りから伝法院通りへ少し入ったところにある、「鎮護堂」というお堂。ぱっと見た感じ、ただの地味なお堂にしか見えませんが、由来の書かれた看板を眺めてみると、

  
面白いことが書かれている。このお堂、たぬきによる乱行を鎮めるため、明治五年に建てられたお堂なのです。その乱行とやらですが、たぬきたちは草履を窯に投げ入れたり、座敷に砂を撒くなど、色々やったとのこと。たぬき許すまじ。看板には書いてませんが、人間側もたぬきを火炎放射器で燃やしたり、十字架にかけたりなどしたに違いありません。

   
止まぬ人間とたぬきの骨肉の争い。しかしある日、寺の住職の夢枕にたぬきが現れ、「僕らのために祠を建ててもらえるのならもうやめるぽん」といったかどうか知らんが、こちらのお堂を建てたところ、見事に治まったようなのです。ほほ~ん。お堂の脇にはたぬきの置物がありましたが、おそらく置物に化けている本物のたぬきだろうと思いますよ。

www.senso-ji.jp


【指南その⑤】冷やかす店を決めておく。

浅草は冷やかし放題の街です。いろんなお店が並んでいますが、見るだけ見て、特に何も買わなくても嫌な顔をされません。それどころか店主のやる気がなく、店の奥の方に籠もっているだけだったり、逆に店主が商売と関係ない話を吹っかけてくることもある。「どこから来たの」「あなた子供いるの」「今日はひとりでプラプラしてるんですか」などと。


それはともかく、居心地の良い気に入ったお店を見つけたら、浅草に来るたびにそのお店に訪れることをルーチン化してみましょう。前回の記事でも書きましたが、これも「定点観測」です。少し時間をおいて訪れることで、品ぞろえなどの微細な変化を感じ取るのも一興です。

  

ということで、紹介したいのが「宮本卯之助商店」。どんなお店かというと、お祭りに使う各種の衣装や道具、楽器などを販売しているお店です。このお店の二階に「太鼓館」という世界の打楽器を集めたコーナーがあり、約二年半前に訪れた時の体験は、以前ブログで書いています。

star-watch0705.hatenablog.com

  
悲しいことに、コロナ禍の影響か休館中となっていました。ぴえん(死語)。再開を熱望いたします。ただ、こちらの宮本卯之助商店。一階の商品コーナーを眺めているだけでも、かなり見ごたえがある。

 
法被に鉢巻きに下駄に雪駄。お祭り関連のファッションは大体揃います。店内が商品でぎゅうぎゅうしてるわけではなく、いわばセレクトショップ的に選りすぐりのものだけ置いている感じ。試着も可能です。このロング丈の法被なんか、羽織ってみると完全に今のトレンドに合致するシルエット。買ってこうかと思ったが、値札を見てそっと戻しました。

 
足袋スニーカー。最近、世界中のブランドがこぞって出していますが、さすが、最新のトレンドアイテムも欠かさず置いてある。特に黒がカッコイイ。SASUKEの出場者がよく履いてるイメージ。

 
以前、「世界の太鼓館」であったスペース。今は和太鼓を中心とした商品ギャラリーになっています。かつては世界中の打楽器が叩き放題の贅沢な空間でした。

 
お値段九十万円超の太鼓。金額と太鼓の重みはちゃんと比例しているようです。

www.miyamoto-unosuke.co.jp

 

【指南その⑥】そろそろ浅草を出ましょうか。

これまで、浅草のみで観光を成立させる場合のアドバイスを書いてきました。しかし、浅草は空間密度が濃く、歩くとけっこう疲れる場所柄でもあります。華やかな浅草でひとり疲弊するなんて、こんな切ないことはありません。もし、疲労を感じた時は、思い切って浅草の外に出てしまうのも一考ですよ。


私も今回、浅草ばかり歩いていたらさすがに疲労を感じました。なので、ちょっと離れた場所を散策してみたら、だいぶ気分転換になりました。浅草の毒気が抜けたような感覚です。なるべくなら情報量の少なく、目に優しい緑の多い場所がいい。ということで近場だと、ベタですが上野公園が最適かなと思います。

 
ここは上野東照宮の近辺。浅草寺と似たような建物がありながら、息づく空気感そのものがまるで違う感じ。かえって浅草を満喫するには、どこかのタイミングで浅草の外に出て、自分の中での変化を感じ取る、みたいなアプローチがあってこそかもしれない。浅草は(自分の中の)用法・容量を守って正しく訪れましょう。


ということで、最後にタイトルの「浅草から(ほぼ)出ない旅」の(ほぼ)のところを回収できてよかったです。なに、ちょっと期待外れだったって? うるせえ(暴言)。黙れ小僧。もう浅草だけで四記事も書いたんやぞ。さすがの私も疲れ果てた。正味、さっさと浅草の呪縛から解放されたいのだよ。次回からまたしょうもないことばっかり書くブログに戻ります。よろしくね!!

 

【おまけ】

 

 
深夜の上野。不忍池の中心で、新興宗教の建物かと見紛うかのごとく光り輝く寛永寺。その絵馬殿にこんな絵馬を見つけた。がんばれよ。四六自重。応援してるからな。天下取ったれや四六自重。