私はそのへんの山や川や田んぼの脇っちょをぷらぷら徘徊するのが好きな変態ですが、今年はいつもより頻度が少ない気がします。単純に暑すぎるってのもあるんですけど、最近、やたらクマの気配が濃ゆくて怖いんですよ。
こないだなんか私が住んでる福島市の中心部に出ましたからね。普通に小学校やオートバックスとかがある街中です。しかもこれ、第一発見者が新幹線の乗客の方だったそうですよ。「新幹線乗ってたらクマいたんですけどぉ」とか報告されたんでしょうか。「はぁ? 新幹線の中にクマが?」「いや、さすがに外ですわ外」とかいうやりとりがあったと妄想。
それはいいとして、SNSのタイムラインに、日本各地の治安に関する内容が頻繁に流れてくるようになりました。だいたいこれ、インバウンドや移民の話題とセットになってるんですけど、日本の治安が悪化したのは彼らのせいだから追い出そうぜ、みたいな主張と、その裏付けっぽい映像とか画像が添付されて流れてくるわけですが、それが転載されたものだったりで信用ならないのです。ぜんぜん日本と関係なかったりするし。
かと思えば、外国人観光客が投稿した日本のどこにでもあるような通りの風景動画などに、「なんて平穏な光景なんだ!!」なんていって、大量のハートマークとコメントが寄せられたりするのも散見します。いずれにせよ、投稿人の思惑により日本が切り刻まれて調理されているようなものですね。「日本」そのものがすっかりネットミーム化して、日本に関するどんなネタを投稿すればバズるか、その具材と化しているわけで、その味付けとして「治安」の要素が関わってきているのが今の時代っぽい感じがします。

近所の何気ない公園ですけど海外目線だと賞賛されるんだろうか。
日本の治安の実態はともかく、そもそも治安に対する話題がネット上で巨大なコンテンツと化し、多様化してきているんじゃないかなぁと。日本は治安の良さに関する話題で祭り上げられ、ネットで評判になりやすいけど、逆にアメリカの「フィラデルフィア・ゾンビ」みたいな、局地的な治安の悪い地域の話題も数年前から人気です。この手の動画にはすごい再生数が付いていたりします。
要は、「治安ウォッチャー」みたいな人たちがいて、ネット上に転がる最高の治安と最悪の治安の情報を交互に眺めながら、その人なりの満足感を得ているような人がいるんでしょうが、そういう私も多少ハマっていたことがあるのです。日本三代ドヤ街っていわれてる大阪の西成、東京の山谷、横浜の寿町あたりのことを調べて、山谷と寿町には実際に泊まりにも行ったんですけど、こういうのもミーム的な体験の消費になるのでしょうね。アニメの舞台を巡る聖地巡礼みたいなもんで、ある記号でパッケージングされているからこそ、釣られていくというか。
いずれにせよ、自分の住む環境と異なる世界への興味関心は、より正常な方向にも異常な方向にも向けられていく。その道標として、ハッシュタグによる検索なんかが主流になったことで、いかにして関心により近い情報に急速接近できるかが鍵になったわけですが、それも便利なキーワードを事前に知っているかどうかで変わってきます。いまちょうどホットな治安が悪い感じの情報を知りたければ、さっきの「フィラデルフィア・ゾンビ」とか、「フェンタミル」なんかは鉄板ってことです。流行りのドラッグは実物でも情報でも流通するんですね笑
あと治安悪い感じのやつで私がいまパッと思いつくのだと、「あいりん地区」「アンカレッジ」「メデジン・カルテル」「おそロシア」「ピラミッド周辺 危険」「三合会」あたりで検索してもらうと色々出てきますよ。いい子のみんなはこんな治安の悪いことばかり知ってる大人になってはいけないよ〜😭
ちなみに三合会っていうのはかつて(今も?)香港を牛耳ていた最大派閥のマフィアです。