口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

帰りたいから旅に出る。

 

近、自分の周りで急に旅行の話題が盛り上がってきて、「九州で嫁とカルデラ見てきたぜ~」などと聞きます。そりゃもちろん、Go Toトラベルで行ったんでしょうが、どうもまだまだ軽率な気がして、自分は県外へ旅行に行く気が起きませぬ。

 

友人から「寒くなる前に京都に行かねえか」なんて誘われてたんですけど、遠慮しました。万が一、コロナウィルスを地元に持ち込んだりしたらどうなることやら。田舎では感染者数が少ない分、その存在は目立つ。コロナウィルスに感染することは、忌避感を感染した人へ直接向ける、ある種の差別主義者の攻撃を受けることもあるわけです。感染すると突発的に社会的リスクを負い、ウィルスだけでなく人とも、同時に戦う状況になり得る。そういうことを覚悟してまで出かけるよりは、家でほのぼのとエロ動画を観る。それが私の生き方です。


話がコロッと変わって、そういえば旅というと、だいたいパターンは二つじゃないでしょうか。つまり「栄えてるとこに行く」か「鄙びてるとこに行く」かのどちらか、もしくは二つを組み合わせた旅のプランになる。国内旅行なんか特にそんな感じですよね。一日目は老舗の温泉に泊って、二日目は街で買い物してうまいもの食べて新幹線で帰る、みたいな。


自分を振り返ってみると、「栄えてるところ」に出かけていって「鄙びたもの」に近づいていくパターンが多い気がします。東京なんかに行ったとしても、分かりやすく栄えてるところ、つまり銀座や新宿や赤坂なんかより、根津・谷中・東板橋みたいな、ちょっと鄙びてるというか、ちょっと勢いが衰えている感じの場所が好きです。決してディスってるわけじゃないですよ(笑)

 

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まあ、そんなとこにノコノコ出かけていって、路地裏なんかに迷い込むわけです。自分から迷い込んでるんですけどね。それで、複雑な電線の絡み合いや、怪しげな店の佇まい、謎の香辛料の香り、得体のしれない人物なんかを愛でながら歩きます。ちょっとしたアトラクションみたいな感覚で歩いてるんだと思います。


と同時に、ずっと意識下で考えていることがありまして、なにかといえば、「ここには住みたくないなぁ~」ってことですね。つまり自分が住みたくない場所に行って、それを眺めるのが私は好きなんだと思います。日の当たらない辻、やせこけた野良猫、シールまみれの板塀、蠅が舞う小さな祠。こういうのを視界に入れるのが好きであって、じゃあ、それらをこの身でしっかりと受け入れるかといえば、決してそうじゃないからこそ旅行なんじゃないかと思いながら、歩いてます。


あと私だけでなく、だいたいの人はそうだと思うんですが、旅行から帰ってきて家に戻るとホッとしますよね。それはつまり、帰りたかったから旅行に行ったんじゃないでしょうか。もちろん旅先で美しい風景を見たし、美味いものも食べた。でも、やっぱり心のどこかでは帰りたがってるんでしょう。その帰りたいという感覚をしっかり意識できた時に、旅行の目的は達成され、その人は帰るのでしょう。


そう思うので、「どっか行きたいな~」と思うその先にあるのは、実はそう考えているその場所、つまり自分の家が目的地かもしれません。自分の今いる場所の価値や良さというのを、一時的に、もしくは何年もかかって遠回りに実感し直すこと。それが旅行かなぁと、そう思いました。では今回はこのへんで。ばいなら~(死語)

 


Yuji Ohno – Love Ballade (愛のバラード)

実家が犬神家だったら帰りたくない🤡