口から出まかせ日記【表】

趣味は豚の角煮作り

「男の料理」は消えるのか。


酌のときのアテ(つまみ)はだいたい手作りなんですが、もっとレパートリーを増やしたいと考えており、図書館に行ったらまず料理本のコーナーを眺めます。するとですね、『いまからはじめる男の料理』『男のすぼら飯』『できる男の台所』『男でもできる。揚げ物・煮物』『男を磨く料理本』などと、ここは男塾かよってなるほど、本のタイトルが「男」のオンパレードなのですよ。


ただ、実際に手に取ってみると、タイトルに「男」とついてる料理本の発行年ってそんなに新しくないですね。昭和末期から平成の前半にかけてのものが多く、けっこう年季が入っている。てことは、この時代、男性が家庭で料理をするっていうのはそんなに普遍的なことじゃなかったのかなんて思うんですけど、美味しんぼとかクッキングパパもこのあたりで出てきたわけだから、過渡期だったのでしょうか。

 

で、平成末期ぐらいに出てる本だと「男子」ってワードがやたら多くて、『料理男子をめざそう』みたいな本がけっこうある。男から男子への変遷。まあ、〇〇系男子とかやたら出てきた頃ですし、女性も「女子」って表現するようになってきたその影響なのかなと。令和以降に発行された本には、あんまりそういうジェンダーを表すようなタイトルを不思議と見かけませんでした。これは単なる偶然かもしれませんけどね。

 

 
これは市販のしめ鯖を切って大葉を添えただけです。

 

思うに、「男の料理」っていうイメージに含まれる、「なんかちょっと荒っぽいけど、美味そうなものを威勢よく出してくれそう」みたいな感じ、私はぜんぜん嫌いじゃなくて、そういうのは生き残って欲しいと強く思ってます。だけど、(一般的に料理をしないと考えられている)男が作る料理はひと味違うぞ、みたいなのは、前提として男は料理をしないものだという偏見から育ったものなので、変わるべきでしょう。でも、男性が持っている性質が料理に落とし込まれるのは、悪いことじゃないですよね。


絵でも、男性と女性との違いが明らかに出るように、自然とその違いが出るものなのか、そうではないのか、という観点は大事です。そこを測り間違えば、人間のもつ性質そのものを殺すことにつながる。そういう意味でも、料理自体は年齢・性別に関わらずオープンなものであってよくて、同時に、男性らしさや女性らしさを表現できる(もしくはあえて否定もできる)自由なものであって欲しい。だから、別に料理本のタイトルに「男の〇〇」とか付いててもいいと思うんですけど、攻撃性の高い人がうじゃうじゃいるから怖いのかもしれない……。


まあ、このへんのことを考えていくとややこしいですが、現実の家庭ではとっくに料理が特権的なものでは無くなって、女性なら料理ができなくてはならないとかそういうこともなくなってきてますよね。それは逆に、これだけやってれば安泰、みたいな立場も無くなるわけで、かえって男女問わずにオールマイティな家事能力を求められていく。それはそれでなかなか大変ですが、穴はルンバやウーバーで埋めていくって感じですか。ちなみにウチのルンバが先日お亡くなりになりました。チーン🙏

 

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平成の料理系アニメは「お前ら、力で殴り合うキャラじゃねーのかよ」みたいな奴しかいねえ(偏見)