このまえニュースで、北海道函館の名物スルメイカが今年はぜんぜん獲れず、競りすら開始できなかったなんて見聞きしましたが、なんの因果か、私の暮らす福島県の沖ではそれと逆にトラフグがめっちゃ獲れるという謎現象が起きております。なんの逆かは知らん。
そんな獲れるんだったら今度の休みに釣竿もって海でも行くか。ていうか、ビジュアル的に私はフグが大好き。無駄に膨らんだりするじゃないですか。いや、フグからすれば無駄に膨らんでるわけじゃないでしょうが、フグが膨らんだり縮んだりするのってかわいいなぁと思います。なんかアホみたいな文章書いてすみませんね笑。
しかし、何故ここ数年でトラフグが急にたくさん獲れるようになったのか、要因はよくわかっていないそうです。地元の漁協ではこのトラフグを「福とら」と名づけて、西の下関、東の相馬、なんて意気込んで新たな名物として定着させようとしているみたいですけど、うーん、大丈夫ですかねぇ。たまたま獲れるからって理由で名物にまつりあげて、数年後、廃業したトラフグ専門店が軒を連ねるなんてことになりはしないか。そういう名物的なものを自然環境の偶然性に頼るのって、もはや時代遅れな気がするし、長続きしないと思うんですけれど。
我が家では桃を皮ごとスライスして爪楊枝で食べる
名物といえば、福島県は桃の産地。ちょうど今ぐらいからどんどん出回り始めるんですが、こういう果物の栽培にしろ、自然のまま採取できる環境からかけ離れつつあるのに、技術と努力の合わせ技で無理に名物に仕上げている印象があるわけです。特に桃なんてのはブランド意識が高く、糖度や酸味の理想値まで品種ごとに規定されている。それ自体、すでに自然からだいぶかけ離れた改造品であるのに、生育的な仕上げはまだ自然の環境に頼っているわけですね。
ただ、お分かりのとおり最近の自然環境は狂ってます。暑すぎたり雨が降らなすぎたりで生育不良だなんだとなるわけですが、これだけ種として品種改良をしておきながら、自然環境に頼りつつ、今年はうまく育たないなどと毎年ああだこうだいっているのも少々矛盾を感じます。このへんも私が生きているうちにデッドラインを超えるんじゃないでしょうか。どうやったって屋外では育たない。多くの野菜や果物が地場栽培から姿を消すなんてことも有り得るかもしれない。
まあ、そうなったとしても「名物」としては残り続けるのでしょうね。それこそ自然環境から遮断されたシェルター的な施設で桃が栽培されて採取される、みたいなことになるかも。むしろそっちの方が自然に頼っていたときよりも安定して美味しいものが作れるのかもしれない。すると、これまでは名物というと、それが栽培できる自然条件が揃っていることも背景的に意味したのだけれど、今後は「名物の生産できる優れた施設や技術者がいて、補助金も厚い」みたいな、テック方面への理解度とか投資環境などとセットになっていく気がなんとなく勝手にしました。
フグぅ……🐡