口から出まかせ日記【表】

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過去の自分が馴染む旅。

 

岡よかった(唐突)。前回の記事でちょろっと書いてましたが、旅行で岩手県盛岡市に行ってきました。てか、そもそもなんで盛岡かというと、

www.pref.iwate.jp


これがきっかけ。当時ニュースで話題になったので、記憶にある方もいるんじゃないですか。みんな思ったはずです。「盛岡ぁ? 冷麺食いにいくだけのとこじゃねーか」的な。そんなモヤモヤを私も抱えていましたが、実際に歩いてみて、なるほど、こりゃあ選ばれるわけだと認識が改められました。歩くのが楽しくてやめられない。歩こう歩こう私は元気歩くの大好きどんどん行こうおじさんと化したのでした🚶


なんせ、訪れた人を歩かせる要素が豊富なのです。駅前から街の中心部にかけて、仙台あたりを彷彿させる活気ある街並みが広がり、立派なアーケード街も整備されている。そこを歩き通すと、今度は盛岡城址や旧岩手銀行赤レンガ館といった歴史遺構が街並みに溶け込んでいる。さらに行けば盛岡八幡宮の広大な境内にもたどり着く。観光のメインロードが明快でしたね。


そのうえ、寄り道したくなるシチュエーションもたくさんありました。街中を流れる北上川に沿って河川敷が整備され、雄大岩手山を眺めながら散歩ができるし、そこらに上品なカフェやショップもある。個人的には岩手大学の敷地内にある植物園がよかったですね。ちょっと季節的に早くてなにも咲いてなかったのですが、どことなく宮沢賢治の描く世界観に迷い込んだような空気感があった。年季の入った西洋建築が、薄曇りの空の下に佇むのを眺めていると、なんだか深い心の静まりを味わうことができました。

 

 

あとこれは別に盛岡に限らないことで、旅先でグッとくるシチュエーションっていうのは、過去の体験が下地になっているんじゃないかなぁと。それこそ、旅先で河川敷を見ると無性に歩きたくなるとかって、かつて自分が住んでいた場所に河川敷があり、そこをよくほっつき歩いていたとかそういうのが関わってくるのでしょうね。時を経て、環境も変わり、普段は忘れているけれど、旅先でのシチュエーションにはそういう感覚を蘇らせるトリガーがあるというのか。


私は旅行先に大学施設があると、よくその敷地内を歩きたくなるんですが、これもまたトリガーの一種なのでしょうね。かつて学生だったころに馴染んだ行動を追っているかもしれない。それでいて、もちろん自分の所属していた大学とは違うから新鮮さもある。やっていることに馴染みはあるけれど、シチュエーションや環境は違う。もしかしたら旅というものは、自分の中に埋もれているノスタルジーを、別環境で追体験することに他ならないのでは。


そう考えると、盛岡の街が再評価されたのは、訪れた人たちに何かを追体験させる風物に恵まれているのかもしれませんね。歩いていて、盛岡で生活したらきっと楽しいだろうなぁと何度も思いましたよ。過不足も過供給もない、上品な街だった。そのぶん地元に帰ってきたときの落差にも慄きましたが笑。ま、アクセスもいいのでまたそのうち行きたいと思います。

 

 

 

あのもし盛岡に行く機会があれば「茶廊 車門」という喫茶店には絶対に寄ってくださいね(圧)

車門(岩手県)|こころから