口から出まかせ日記【表】

もうすぐゴールデンウィークですね(早)

口癖は「致し方ない」。

 

ーテンを開けたら、そこは雪国であった。いやぁ、たまげました昨日は。今年は全然雪降らねえな、暖冬だなとか言ってた気がしますが、ここに来て今年一番の積雪とは(笑)。近所中で雪かきの音が聞こえてきましたよ。現時点では、日当たりのいい地面の雪は解けていますが、屋根にはまだ雪が残っています。

 

まあ、致し方ないですね。天気は私たちにはどうしようもない。外出自粛を推奨されているご時勢ですから、ちょうど良かったといえばそうなんです。「外に出ないで家でおとなしくしてろ」との、天からの配慮みたいなものだと考えるのがいいんじゃないかと。まあ、致し方ない。

 

コロナウィルスの新たな陽性感染者数とか、自粛の気配に耐えられず人が集まる場所に遊びに行く人たちとか。ニュース番組を観ていると色々な感情が湧いてきて、それが心の中でぐちゃぐちゃになり、嫌な匂いを立てることがある。そんなものが体の中に入っていると、肉体と精神の健康に良いわけがない。そんなとき、私がよく口癖で言うのが、「致し方ない」です。ここ最近は自分を清めるように、「致し方ないよね」「これは致し方ないですわ」「致し方ないっしょ」などと連発しております。

 

この「致し方ない」が口癖になったきっかけは、前の職場です。同僚に「致し方ない」が口癖の人がいて、それが私に伝染しました。介護の現場というのは確かに、「致し方ない」とでも言っておかなければ、やっていかれない仕事です。とにかく細々としたトラブルが多い。どこかで、「とくに認知症の高齢者向け施設での仕事とは、積み木崩しのようなものだ」という言葉を、どこかで見たか聞いたかした覚えがあるのですが、言い得て妙だとは思います。

 

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整っていたものが次の瞬間にすべて崩れる。これは、介護士ならば常に頭に入れておかなければならない感覚でしょうね。高齢者の方が普段通り歩いて、自分の部屋へ戻ろうとされているが、次の瞬間には転倒して床に頭を打つこともある。認知症の高齢者の場合、穏やかに過ごされていたと思っていても、次の瞬間には急激な感情の変化があり、その対応をする必要もある。

 

とにかく次の展開が読めず、安定した感覚が無い。常に漠然とした不穏を抱えているのが介護の現場です。ただしそれを「不穏」などと、職員が感情の面で抱えすぎていると、何らかの時に処置のための初動が遅れることがある。ショックを受けている暇はありません。そんな時に、一種の魔法のように機能するのが、この「致し方ない」でした。

 

目の前で起きたことを、感情の受け皿で意識する前に、「致し方ない」と呟くことで、受け皿自体を一時的に吹き飛ばすわけです。すると、とりあえずは一時的にでも、感情から来る行動の遅れを阻むことができる。その「致し方ない」が口癖の同僚は、わたしより若い人でしたが、介護士としてはベテランでした。この口癖は介護士として生き残るためのメソッドでもあったのだろうと思います。

 

この人から伝授された「致し方ない」の口癖は、すっかりわたしの一部になっています。いまちょうど、ニュース速報で志村けんが亡くなったのを知りました。致し方ないとは思いますが、衝撃を受けています。