口から出まかせ日記【表】

もうすぐゴールデンウィークですね(早)

浅草から(ほぼ)出ない旅【指南編①】

 

の周りにいる人に、浅草が苦手という人は割といます。どのへんが苦手か聞いてみると、「雰囲気が合わない。入り込めない感じがする」みたいな応えがだいたい返ってくる。友達となら行けるけど、ひとりで行くのはちょっと厳しい、という人もいますね。


浅草は屈指の個性をもつ土地柄。好き嫌いがあるのは当然です。苦手な場所にはなるべく近づきたくない、というのも分かる。しかし、浅草好きな私としては、「ま、まぁ、そういう場所にあえて出かけてみて、そこで少しずつ自分が好きなものとか、気に入ったものを見つけていくのも、人生において大事かもしれないぞぉ~」などと、弱弱しく主張したくもなるのです。


ということで今回からは、浅草を楽しむ指南となれるようなアドバイスをお伝えするとともに、前回、前々回の記事では盛り込めなかった内容を盛り込み、結局のところは自分の旅自慢をするという、魂胆の見え透いた内容をお届けいたします。今回、いつもの二倍くらいの分量をがっつり書きました。読んでて疲れたなと思った時は、無理せず離脱してください。

 

 

【指南その1】雰囲気に同調せず静かに食事を楽しむ。

浅草は「朝っぱらから誰かしら屋台みたいなところで酒を飲んでいる」イメージを持つ人がいると思いますが、実際そうです。最速で午前六時十八分ぐらいから飲めます。浅草は開放的に、悪くいえば刹那的に酒を飲んでハッピーになるのが、楽しみ方の主流であるかのように思わせているところがある。

 

で、いざ、そんな輪の中に入ろうとするのだけど、なかなか勇気が出ずに屋台の前をスルーしてしまう人、けっこういると思います。「ああ、僕は浅草に向いていないんだ。浅草に溶け込むことができない人間なんだ。うわぁあああ。隅田川で入水しよう。さようなら~」と、絶望的な気分になる人もいるかもしれない。

 

入水しなくていい。貴方は正しい。あのへんの屋台って、浅草の風物詩のような紹介のされ方をするけれど、はっきりいってアル中の温床だし、衛生的にも課題があります。視線の端でゴキブリがそそくさしているなかで、酒を飲みたいですか。煮込み過ぎて腐敗臭めいた香りの漂う大根にかぶりつきたいですか。

 

嫌ならやめときましょう。屋台じゃなく、ちゃんとした店でご飯を食べて、綺麗なジョッキでビールを飲みましょうよ。浅草には、昔からちゃんとしたお客さんを迎えてきた老舗のお店がありますから。その老舗といっても色々あります。「○○通り」と名がつく通りには、観光客を中心に迎えてきた店が多く、そこから少し離れると、地元の人しか利用しない店舗もちらほらある。

 

おススメは、観光客と地元の人が半々ぐらいで利用する老舗。当然、チェーン店と比べれば少々入りづらさもあります。でも、敷居は跨いでしまえば、案外なんてことはないのです。思い切ってガラガラ~と引き戸を開けてしまえばよい。あとはひたすらモジモジしていれば、店の人が席に案内してくれます。なにを食べたらいいか分からない時も店員さんに聞きましょう。

   


ということで、個人的におススメするのは、浅草寺の北側にある「弁天」というお蕎麦屋さん。繁華街から少し離れていることもあり、落ち着いて食べることが出来ますよ。ただ、お昼は流石に並びます。夕方以降の方が空いているかも。

弁天(浅草/そば(蕎麦)) - Retty



【指南その2】外国人観光客向けの施設に入ってみる。

ここんところ、浅草は「外国人観光客向けの施設」がタケノコみたいに生えてきており、私も久しぶりに来てみたら、知らない場所が増えていたので驚きました。とりあえず入ってみると、スタッフさんも気が利いている方が多いし、館内でフリーWi-Fiが利用できたり、トイレも最新型で綺麗だったりして、とても気分が良かったりします。

 

コロナ禍の影響で肝心の外国人観光客の利用が見込めないせいか、意外とガラガラな印象だったりで、今なら穴場的な使い方ができそうです。私も今回の浅草旅行ではだいぶお世話になりました。

  

雷門のすぐ向かい側にある、妙な形のピカピカした建物。けっこう前から建っているのですが、見たことあるけど入ったことないって人、多いんじゃないでしょうか。ここは「浅草文化観光センター」というところで、浅草周辺の事で分からない時は、ここにいるスタッフと相談できます。英語と中国語、韓国語に精通したスタッフがおられるようで、迷ったときの駆け込み寺のような施設。もちろん日本人でも利用できます。
  
  

この建物の二階では、雷門を優雅に見下ろしながらスマホの充電ができます。フリーWi-Fiも完備。意外と利用する人がおらず、隠れた穴場かもしれません。

   
建物内には、浅草の歴史を勉強できるギャラリーや、フリースペース、カフェが併設された展望台もあります。浅草寺方面もこの通り。緊急避難用の階段と被っちゃうのがちょいと惜しい。トイレも綺麗ですよ。

浅草文化観光センター 施設概要 台東区ホームページ

   
もうひとつ紹介したいのが、「まるごとにっぽん」というテナントショップ。浅草にいながら、日本全国のお土産(主に食べ物系)が購入できるという、神々しさ溢れるホットスポットです。

   

   
店内には全国津々浦々の土産物が並べられており、それらを眺めているだけでもワクワクできる。特に私を唸らせたのが日本酒コーナー。地酒もなかなかですが、ご当地カップ酒の品ぞろえには感激させられた。ここで暮らしていいですか。

   
さらにはその日本酒コーナーで売っている地酒を、併設された「角打ちバー」にて試飲もできるという、なんとも痒い所に手の届くところです。ここで暮らしていいですか。コンセプトの打ち出し方的に、「浅草へ遊びに来た外国人観光客に、ついでに日本全国の名物も体験してもらおう」みたいな狙いが感じられるのですが、全然、日本人でもおススメというか、何度も言いますが私ならここで暮らせる。

まるごとにっぽんとは | まるごとにっぽん



【指南その3】異なる時間に同じ場所を定点観測する。

浅草は「定点観測」が面白い場所。時間ごとに風情の変化が楽しめます。昼間と日が落ちたあとでは、同じ場所でも雰囲気が変わるので、眺めていて飽きません。昼間の騒がしい浅草は苦手だけど、夜のひっそりとした浅草は好き。そう感じる人もいるかもしれませんね。

  
ちょいと比較してみましょうか。ここは浅草寺から東へ十分ほど歩いた、隅田川のほとり。隅田川の向こうに東京スカイツリーが見えます。川の匂いを嗅ぎながら、風に吹かれてボーっとするにはいい所です。

  
水上バスの船体越しの風景。この配置、近未来感がある。

  
正面の橋は吾妻橋。今回は「浅草から(ほぼ)出ない旅」ということで、渡りませんでした。そして、同じ場所に日がすっかり落ちてから訪れてみると、

  

  
このような感じ。ガラッと雰囲気が変わります。昼間は缶ビール持参のおっさんのパラダイスでしたが、夜はそこらへんでイチャイチャしているカップルのパラダイス。とはいえ、一人で静かに夜景を眺めるのもいいものです。川面に伸びた複雑な光の筋を眺めているだけでも、なんだか贅沢な気分になってきます。


おお、けっこう書いたので、今回はこのへんにしときます。え、まだ続くの、と思うでしょうが、いやぁまだまだ続くんですよこれが笑。だいたい、「浅草から(ほぼ)出ない旅」の(ほぼ)のところを回収してませんし。次回で必ずや回収して締めたいと思います。

 

【おまけ】

   
ここは夜中の浅草、伝法院通り。「地口行灯(じぐちあんどん)」といって、昔の人のダジャレがこれ見よがしに明るく照らされています。酒で心地よくほんわかした頭で、こういうのを見上げてニヤニヤしてるうちに、年月は過ぎ去ってしまうものです。浅草は恐ろしいところですぞ。