夏バテかもしれません。朝、フラフラしながら会社に行き、夕方、フラフラしながら家に帰ってきます。フラフラしてるせいか、背後から飛んできた蝉なんかをすんでに避けれます。ニュータイプへの覚醒が近い。
それはどうでもいいとして、今日は読んで考えさせられた記事を紹介します。当ブログではお馴染み、あぎる (id:agiru64)さんが、noteの方で書かれたこちらの記事です。私も反省しないといけないなと感じました。
同世代と数時間つるんでいたら、おそらく誰かが「俺らおっさん」などと言うでしょう。巻き込まないでください。あなたはあなた自身を自由に表現する権利を持っていますが、世界中の同世代を巻き込む権利はありません。
私もブログで「自分みたいないい年したおっさんが」なんてつい書いたりしてますが、こういった表現は、同世代の人たちを総合的に卑下することにつながるんでしょうね。まだ20代ぐらいの子達が、「俺らもうおっさんじゃん」って言ってるのをついこないだ街で聞きましたけど、本人たちはそういう納得感でいいとしても、その感覚が多くの人に波及したら、年齢を経ることはネガティブなことである、という感覚に毒されていってしまう。ていうか、とっくにみんな毒されているんでしょう。
それってもちろん奇妙なことです。生きている以上、歳をとるのは当たり前なのだから。また、自分の好きなことをしたりだとか、悪いことが良い方向へ進むにも、時間を経る必要がある。時間の流れは何かを決める基本概念だし、変化そのもの。それ自体を、というよりも、「自分が歳をとることは劣化でしかない」と、悪い変化しか想像できない場合、年齢とはその人にとって「呪い」でしかなくなります。人生オワタ／(^o^)＼
付き合いではビールを。自分のために飲む時は日本酒。
話を少し変えますか。ところで、「おっさん」という表現には、卑下とはまた別の側面を感じるからこそ、自分から表明したくなる場合があるはずなのです。まずは、「ギラギラ」してるってことですね。社会の一大勢力である（かも）という、無視できない存在の巨大さ。自分がその一員の端くれであることの自覚として使うパターンでしょう。もしくは、「おっさんはつらいよ」などと、口先では言っときつつも、行きつけの飲み屋で嬉々としながら一杯やっている。そんな、ちゃっかりと個人的な愉しみを見出している趣味人としての姿にシンパシーを感じるからこそ、使いたくなるパターンもあるかなと。断然、私は後者ですね。
その「おっさん」と、用途が多少似てるような似てないような表現として、「小生」や「拙者」も思い浮かびます。よく明治・大正生まれの高名な文学者が、人へ当てた手記の中で、「小生もつくづく歳を食いまして」なんて縮こまったような表現を用いたりしますが、これは「へりくだり」でありつつも、老獪な自意識の表明そのものです。肥大した世間的なイメージと、自己意識とのバランスをとったものですが、まあ、卑下しているようで全然していない太々しさが丸見え。私もいつか小生と名乗りたいものです。
また時代劇とかだと「拙者は〇〇であるぞっ」とかなんとか言って、一人称はへりくだってるくせに、すぐさま刀を抜いて斬ったり斬られたりして滅茶苦茶になるパターンを数多見かけます。へりくだる意味がさっぱり分かりません。ただ、これも自身が「武士」という力のある一大勢力の一員であることを、なるべく社会的な融通をきかせて表明するための、ダウンサイジング的な表現なのかもしれませんね。
時代は常々、自身の置かれた立場を卑下するようにみえて、実際には作用として微妙なブレがあるがゆえに解釈の幅のあるワードを生み出します。今だと「弱者男性」や「子供部屋おじさん」とかでしょうか。ただ、これらの言葉も字面通りに受け取るだけでは、別な側面を見逃します。卑下しているようで、実は有利性の誇示であったり、有用性を見出している人がいるからです。「弱者男性」的な性質を自ら表明することでSNSのフォロワーを大きく増やしている人も散見しますし、働いてる「子供部屋おじさん」は貯蓄が貯まりやすいと聞きます。
ここらで話を総合的にまとめると、立場を卑下するようなキーワードは今後もどんどん生まれてくるはず。それを「使うな」と言ったところで、別な言葉に置き変わるだけだと思います。冷静な対抗措置としては、やはり、実態の観察・省察になるんじゃないでしょうか。不名誉な言葉の指す立場に自身が含まれていたとしても、実際の生活を振り返ったときに、その立場にいるからこそ苦難を逃れていたり、他人が渇望する自由を手に入れていたりするものです。今後も泡沫の如く浮かんでくる言葉に窒息しないようにする技術の模索や鍛錬は有意義でしょうね。なんだか普段よりだいぶ長くなってしまいました。ここらで収めておきましょか。バイナラ・ラナイバ（死語）
誕生日おめでとうございます！！
