口から出まかせ日記【表】

大掃除してねんだわ

定めたい人生の三本柱。

 

くも秋の気配が漂ってきました。天気が回復して暑さが戻ってきたものの、若干の陰りというか、侘しい風情を感じます。たま~に、夏の荒々しい感じじゃない、なんだかほっとするような優しい感触の風が吹いてきます。旅行らしい旅行に行けないまま夏が終わりかけている。まぁ、行きたくても状況が状況なんですから仕方がない。


前回の記事で県を跨いでの旅行は諦め、地元で贅沢を満喫するプランに変更したことをちょいと書きました。旅行は遠ければいいものでもない。自分にとって好ましい要素を揃えることが大事なのだと考え直した結果です。じゃあその要素とは何か。「女将さん」「炉端焼き」「貸切露天風呂」。これが私の三本柱です。これらを満たし得るのであれば、距離感は関係なくなります。そして地元にこの三つを完璧に満たす温泉旅館を発見。先日予約しました。各部屋に陶器製の露天風呂が完備されているようです。割らないか若干心配です。


それと、なんで急に「三本柱」とか言い始めたのかというと、これまた先日購入した本のタイトルに影響されたからです。その本というのがこれ。

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作家、古井由吉さんの『書く、読む、生きる』です。額に入れて飾っておきたいほど、心に熱いものがこみあげてくる素晴らしい表紙だ。もともと図書館で偶然手に取り、まず表紙を眺めていきなり感動しましたが、内容に関しても深甚なるものがあり、手元に置きたくなって購入しました。しかしこの三本柱の潔さよ。著者の古井さんはまさにこの三つの柱をご自身の指針とし、約半世紀にわたって文学の道を全うされ、2020年に永眠されています。


先人に倣い、いつか私も人生における三本柱を定めたいものですが、現状ではぜんぜん精進が足りない。「三本じゃちょっと足りないよなぁ。せめて六本ぐらいじゃダメっすか」って感覚です。まだ私も三十代。八本でも百本でもいいじゃないですか。これがだんだん年を経るにつれ、頭頂部が禿げ上がり、尿漏れが毎度のことになり、できることができなくなってくる。そうなった時にこそ、自分の存在を支える三本の柱を、改めて見定めることができるのではないかと。それなら今はなるべく柱を増やすことを意識した方がいいし、将来縋れるように柱を太くしていくような、そんな感覚を持ちながら過ごせればいいと思ってるんですが、日々の忙しさにかまけていると、これがなかなか難しいもんですな。

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そういや昔からよく言われる「人生の三本柱」といったら、「飲む、打つ、買う」ですよね。うーん。昭和の男という感じがする。私はこの中だと「飲む」しか該当しません。しかも、いわゆる「盛り場」みたいなとこじゃなく、家でちびちび安全に飲むのが大好き。だから元来の意味での「飲む」にも当てはまらないのかもしれません。この三本柱。令和の現在だと、「飲む(睡眠薬)、打つ(ワクチン)、かう(カウンセリング)」とかかな笑。動詞はそのままで、背景だけが変化していく。


あと、三本柱って「飲む、飲む、飲む」みたいにビンゴにしちゃいけないんでしょうかね笑。実際あんま聞いたことがない。まあ飲むものにもよるでしょうけどね。儲け話を鵜吞みにし、上機嫌で酒を呑んでいたのが、いつしか涙を飲んでいる、みたいな。でもこれを人生の三本柱にしたくないでしょ笑。あと、なんだか「飲む、打つ、買う」みたいに、破綻の影を匂わせつつ、とりあえず今を刹那的に満喫していることを三拍子で表現するのって、日本人は好きなんでしょうか。


ところで、私がいま将来的に三本柱に入るようなことをしているかというと、とりあえず「書く」は入るんじゃないでしょうか。昔の記事で「ブログを五十年続ける」とかとんでもないことを書いてた気がするんですが、このブログが五十年続くというより、書くという行為を五十年続けるという事なら、なんだかんだやっていそうな気もします。あと死に水は酒でいいと思ってるので「呑む」も入るでしょう。となると、あと一つ枠が空いている。まあ、上で書いたように、今後も色々と取り組みながら、老いと共にそこに入るものが自然と見定められるのを待てばいいでしょう。


あと「三本柱」ってなかなか融通がきく感覚だとも思うのです。そんな一生モノにしなくても、一週間や一日単位でもいいから定めるのもアリじゃないでしょうか。とにかく忙しい。あれもこれもそれもやらなきゃいけない。でも全部はできないのが分かりきっているから、とりあえず今日やるべき「三本柱」を定めておく、みたいな。「うんち、ゴミ出し、洗濯」。これさえできれば私は人間として成り立つ。そんな感じで日々、三本柱を立てていけば、それなりに屹立とした暮らしが続けられる気がする。まだまだ残暑が続きますから、皆さんどうか体調を崩さないよう気をつけてください。

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男の人生の要素といえばロックンロールは欠かせない。最近、1950年代のロカビリーを聴いてるんですが、曲によってはパンクロック並みの勢いがあって良き。