口から出まかせ日記【表】

もうすぐゴールデンウィークですね(早)

ブログと読者の関係性について真面目に書きました。

 

を跨いだ旅行なんて、ここんとこのコロナウィルス感染の勢いを見て無理だと悟りました。そしたら気持ちがしょんぼりしてしまい、大雨の最中に田んぼでも見に行って死のうかなと考えてましたが、楽天トラベルで地元の温泉旅館を眺めていたら、いっそのこと旅行の予算をすべて、地元の高級温泉旅館の最高級宿泊プランに全て注ぎ込み、神にでもなったかのような贅沢をしようかと思いつきました。そしたら田んぼのことなんてすっかり忘れましたわ笑。ということで、旅館の空室カレンダーと自分の予定とのにらめっこを続けています。


話が変わりますが、ブログを書くのは難しい事なのだと再認識させられています。私がいつも読んでいる、とある方のブログのある記事に関して、読者の方からコメントがあったのですね。簡単にまとめると、「内容がプライベートすぎる」という意見でした。家族の精神面での不調に関して書かれた内容に対しての意見ですが、「家族とはいえ、個人のデリケートな内容をソーシャルな場に書くのはどうなのか」ということのようです。そのコメントを寄せた方は、「どんなブログを書くかは自由であるとはいえ」と前置きした上でそういう意見を述べられているので、丁寧な人だとは思います。


私もその記事は読んでいます。というか、それ以前から続いていたプライベートな内容の一連の記事をずっと習慣的に読んでいたんですが、私はそれらに表現上の問題を感じていませんでした。だから「内容がプライベートすぎる」という意見に、正直ハッとしたというか。なんかこう、自分もブログを書いたり読んだりしているうちに、何かが麻痺してきているんじゃないかと、少し不安になりました。


ただ、文学的に身内の精神の混沌を表現するというのであれば、私小説的には王道でしょう。パッと思いつくのだと、島尾敏雄さんの『死の棘』は、著者の奥さんの狂乱と生き地獄を描いたもので、評価の高い作品です。もちろんこの作品の評価には、「内容がプライベートすぎる」という批評だったり単なる嫌悪感も含まれているはず。苦手な人は徹底的に苦手な文章だと思いますが、私個人の評価としては、かなりブログ的な文章じゃないかという印象です。機会があれば是非とも読んでみて欲しい。ブログを書くヒントが何かしら得られるかもしれません。

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本の宣伝がしたかったのかお前と言われそうですが、それもあるとして、今回考えたかったのは、ブログを書く上での「抽象性」の課題です。特にブログなんかで自分の日常について書いている人は、ある程度の抽象性を保つことで自分も守りつつ、他人も守るという事を、多くの人が自然と行っています。本名ではなくハンドルネームを名乗り、自分の住所や職場の詳細は書かないとか。自分と関わりのある人間に対して、仮にどれだけ憎しみを抱いていたとしても、実名は明かさずに登場させるとか。まあそんな感じでしょう。


そうして書かれた文章は、どんな内容であっても「白昼夢」のように抽象的なものです。だからこそフィクションとしてもノンフィクションとしても読めます。そして読者の側に、その文章をどう判断するかの自由があります。もちろん現実と虚構が両方混ざったものとして読むこともできる。なので同じ文章を読んでもらっても、読者によってその文章の「ジャンル」というのは変化します。リアルな記録として読む人もあれば、小説や詩として読む人もいる。


ところで作者自身は、自分の想定しているように読者を誘導できるのでしょうか。まあ「これは小説ですよ」と宣言して書けば、そりゃ一応小説として読んでくれはするだろうけど、その内容が酷く生々しい体験を呼び起こすようなものだと、「いや、これはきっと著者の実体験だな、間違いない」とか勝手に想像されてしまい、作者の思惑通りにはいかないものだと思います。そして、読者個人の中で独自の解釈をされた文章は、もはやその人の持ち物となる。だから実際、どう扱われてもこちらにはどうしようもないんじゃないでしょうか。


さっきの件に戻ると、「ブログの内容がプライベートすぎる」といった読者の意見は、「そういったジャンルとしてその人は読んだ」という、ごく個人的な報告なのだろうと感じます。作者としては、その意見に同意するもしないも自由でしょう。意見が役に立ちそうなら大いに参考にするもの良し。ただ、一介の読者が自分の文章をどう読んだか、正確に分析しようとしても非常に難しい。くり返すようですが、その人が読んだものは「その人の持ち物」です。作者が書いたものとは異なります。一字一句同じ内容であっても全然違うのです。このあたりを測り間違えてボロボロになって消滅したブログをいくつか知っております。皆様もお気を付けください。

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去年あたりから観光地を高画質で撮った映像なんかをよく観るようになりましたが、どれもこれも「白昼夢感」が強いですね。とりあえずおススメを貼っときます。