口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

夜中に読むと眠くなる本を選んでみた。

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 無職ですが、どういうことか眠れない日もあるのです。得体のしれない悩みや疑問が、頭の中を駆け巡ることがある。今後、私はいったいどうなるのだろう。なんで野菜炒めをつくると、いつも汁っぽくなってしまうのだろう。なんで近所の野良猫は私の顔を見て、ものすごい驚異的なものをみたような顔をするんだろう。

 

そうやって悩みや疑問の渦巻きの中をぐるぐるしているうちに、いつの間にか眠っていたりもするわけです。でも、なるべくだったら自然とスイッチが切れるように、体の欲求に従って寝たいものですね。

 

私は夜寝る前にベッドでゴロゴロしながら本を読むのが習慣なんですが、本を読んでいると、自然に眠たくなるスイッチが入りやすいんです。それで今回は、今まで読んだ本の中から、「入眠導入」に向いているなと感じた本を選んでみましたので、紹介させていただこうかと思いまzzzzz………。

 

小型聖書 - 新共同訳

小型聖書 - 新共同訳

 

  私の家にはやたら聖書がいっぱいあります。祖母も母親も、私もそうですが、キリスト教系の学校に行ったことがある人間が多いからでしょう。その聖書が、入眠導入にはなかなか良いと思います。聖書にはお話がいっぱい載っていますが、私が読んでいて特に眠たくなってくるのが、旧約聖書の『レビ記』です。

 旧約聖書の他の物語、『出エジプト記』『ヨブ記』『詩編』『コヘレトの言葉』なんかは、ドラマチックだったり情熱的だったり哲学的だったりで面白く、読み始めると熱中して逆効果ですが、レビ記はもう、五行くらい読んだらすぐ眠たくなります。

 

捧げ物を和解の捧げものとするときは、牛であれば、雄であれ雌であれ、無傷の牛を主にささげる。奉納者が捧げ物とする牛の頭を手に置き、臨在の幕屋の入り口で屠ると、アロンの子らである祭司たちは血の祭壇の四つの側面に注ぎかける。奉納者がこの牛を燃やして主にささげる和解の捧げものとする場合は……

レビ記 3.3までの一部引用)

 

 ……と、ひたすらストイックに、この時代の宗教儀式の取り決めの描写がずーっと続くわけです。まったく自分の生活と1ミリも接点のないことに関する文章の壁を眺めているうちに、脳が共感したり理解することをあきらめて、自然と眠たくなってくるわけです。これはかなりおススメできますよ。ねえ奥さん、どうですか? レビ記

 

  • 『キリストにならいて』(トマス・ア・ケンピス著)
キリストにならいて (岩波文庫)

キリストにならいて (岩波文庫)

 

 これも偶然かキリスト教関連の本です。著者のトマス・ア・ケンピスは、14世紀のドイツ生まれ。アウクスチノ修道会の司祭を務めつつ、神秘思想家としても活動しています。神秘思想家といっても、キリスト教以外の宗教は邪道の時代ですから、つまりキリスト教に関する研究者であったわけです。

 本の内容はいたってストイック。敬虔なキリスト教信者としての心構えや道徳に関して、ひたすら書かれています。でもトマスさん。ちょっとマジメ過ぎやしませんかねえ。もうちょっとこう、人間として欲望とかないんですか。毛ガニとか無性に食いたくなりませんか。とろサーモンを程よく炭火で炙って、わさび醤油でちょっとつついたくなりませんか。

 

誘惑は人にとって煩わしく厄介なものであるが、またしばしば大いに有益でもある。なぜかというと、人はそれによって謙遜を学び、浄められ、教えられるのだから。あらゆる聖徒は、みな多くの苦難と誘惑とに会って、これを経過し、それから益をえたのである。

(第一巻 13章より一部引用)

 

……と、あくまでも真面目一辺倒なのです。ただ、この精神的な清冽さというのは、読んでいて清々しくなります。神以外の欲望を持たないというのは、なんと迷いのない道だろうかと。感心しながら読み進めていくうち、次第にまぶたが下がってくる。そんな本なのです。どうですか、旦那さん、一冊いかがですか?

 

・真理のことば・感興のことば(ブッダ

ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫)

ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫)

 

  たぶん、今回紹介する中で、一番強力な眠気を発生させるんじゃないかと思われるのがこの本です。そもそも、催眠的な効果を狙って文章が組み立てられているんじゃないのかと思うほどです。半醒半睡の状態でブッタの御教えを信者へ投入することで、信仰としてのステージを引き上げようとするかのような……教え諭す際の導入効果に関し、高い意識が感じられる内容であります。

 

三五六 田畑は雑草によって害(そこな)われ、この世の人々は愛欲によって害われる。それ故に愛欲を離れた人々に供養して与えるならば、大いなる果報を受ける。

三五七 田畑は雑草によって害われ、この世の人々は怒りによって害われる。それ故に怒りを離れた人々に供養して与えるならば、大いなる果報を受ける。

三五八 田畑は雑草によって害われ、この世の人々は迷妄によって害われる。それ故に迷妄を離れた人々に供養して与えるならば、大いなる果報を受ける。

三五九 田畑は雑草によって害われ、この世の人々は欲求によって害われる。それ故に欲求を離れた人々に供養して与えるならば、大いなる果報を受ける。

(真理のことば 第24章より一部引用)

  

……zzzzzzzzz……zzzzzzzzz……うーん……読者登録1000人超えてる……うふふふふ…………。