口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

物を無くすと体調を崩します。

 ないだの朝、目を覚ましたら、何だか下がバタバタしているので、階段を降りて行くと、父親が「車のキーがねぇ」と呟きながらうろついていた。パンツ一枚でうろついているその姿は文明人とは思えない。むさくるしい。なにがあろうとも、人間を名乗るなら、まず服を着ることから始めたほうがいい。

 

母親が、「トイレに流したんじゃないの」「ズボンの中に入ってるんじゃないの」「玄関の外に落ちてんじゃないの」と、可能性のありそうなことをまくしたてると、そのうちの一つがどうやら当たっていたらしく、いつの間にやら外で車のエンジン音がして会社に出かけて行った。やれやれ。

 

物を無くすといえば、私がまだ大学生の頃だけど、いつもちょっとした小物を無くす友達の事を思い出す。家の鍵なんかしょっちゅうなくなるので、アパートの鍵はいつも閉めないで出かける人だった。「盗まれてもいいようなものしかないし」と本人は言っていた。バスの乗車券や電車の切符なんかもすぐ無くす。無くさないようにずっと手に握りしめていても、手を開くとそれが無い。不思議な事である。

 

しょうがないので、一緒にどこかへ出かける際、切符などは私が預かることにした。こちらで預かるだけで、ちゃんと物がこの世に現存するので安心がある。友達は私に感謝の念を惜しまず、「尊い」という言葉をよく使った。「○○君は尊いね」「さすが尊い人は違うよね」みたいな感じである。文字に起こすとなんだか馬鹿にされてる感じだけど、実際そんなことはなかった、はず……。

 

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 私自身は、基本的に物を無くさない。別に整理整頓が得意なわけでもない。バイクの鍵なんかもズボンのポケットに入れたまんまだったり、その辺の棚の上に置きっぱなしだったりする。根がオシャンティーなので、手首にブレスレットみたいなアクセサリーを付けるのも好きなのだけど、家に帰ってくると、その辺に放置したままだ。

 

でも、それが必要になったときに、「あれ、どこ置いたっけ」とはならない。自然とそれがある所へ勘でたどりつく。ズボンのポケットや机の上を、それほど意識もせず探って、ごく普通に見つかる感じだ。脳科学はまるで詳しくないが、たぶんどこかに記憶が保存されているからだろう。我ながら便利だなと思う。

 

ところが、この勘がまったく効かなくなる時がある。ズボンの中を探っても、鍵がない。机の上を探っても鍵がない。カバンの中を探ってもない。どこをどう探してもない、というのがたま~にある。

 

鍵だけじゃなく、同時期に他の小物も無くしがちになる。メガネが無い。イヤホンが無い。目薬が無い。スマホが無い。とにかく色んなものが姿を消す(完全に消えたわけじゃなくて、時間が経つとすんなり出てくる)。俺はこの世に見放されたのかと思うほど、ぽろぽろと色んなものが無くなってゆく。

 

そしてまた同時期に、喉が痛くなって、咳をし始め、鼻水が出て、頭が痛くなり、ついには熱が出て、ダウンすることになる。これはもうパターン化している。物がどこに置いてあるか察知する勘を失う事が、すでに風邪をひく前兆を示しているのだろうか。それとも、「アレがねぇぞ~!!」と探し回っているうちに、ホコリとかが舞って、それで喉が痛くなったりして、風邪をひいてしまうのだろうか。

 

ちなみに現在、愛用していたボールペンが消えた。どこを探しても見つからない。最近空気が乾燥してきたから買ったハンドクリームもいきなり見当たらない。どこ置いたかも思い出せない。勘が弱っている。パターンを信じるなら、このあと風邪をひくのでしょう。