口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

やっぱり旅は一人がいいですよ。

日本国内に限っていえば、色々な場所へ出かけてきました。まだ行ってないのは四国とか、あとは離島ですか。種子島とか、大島とか。わりあい旅行が好きなのは両親の影響もあると思います。夏休みなどの長期休暇の時に色々と連れて行ってくれました。父親がアウトドア好きで、宿泊はもっぱらテントか、天気が悪ければ車に泊まっていました。

 

金沢あたりのキャンプ場に泊まって、天気が悪くなったので夕食をつくるのをやめ、街にある、結構お高いカウンターの寿司屋に入った時の、ご主人の呆気にとられた顔が忘れられない。我々の格好は全員短パンにビーチサンダルですからね。しかも、ボタンエビやらアワビやらと、躊躇なく高額なネタを注文するという。やや青ざめた顔で寿司を握るご主人の(こいつら大丈夫だろうか……カネもってるんだろうか……)という心の声が当時小学生の私にも聞こえたくらいです。

 

色々美味しいものを食べさせてくれて両親には感謝ですが、嫌な部分もありました。なんというか、のんびりできない人たちなんです。時間さえあれば名所を次から次へと回ろうとする。いったい何に駆り立てられているのかわかりません。せっかくいい眺めなんだからゆっくりしたらいいのに、「よし! ここは見た! 次行くぞ次!」と急かされる。

 

そして、旅行の日数が経過しているうちに、だんだん不機嫌になっていくんですね。日頃のストレスを忘れるための旅行が、新たなストレスを呼び込んでしまうようでした。旅の最終的な思い出は、すっかり仲の悪くなった両親の醸し出す、息の詰まるような空気が充満した車で家に帰るというのがパターンでした。(純粋に楽しむことに向いてない人間ってのもいるもんなんだな~)と、子供ながらに思ったものです。

 

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高校生の頃、両親に「あなたたちと旅行に行ってもつまらない」と宣言してからは、もっぱら友人と旅行に行くようになりましたが、それはそれでめんどくさいことが多かった。「財布が無い」だの「腹が痛くなった」だのと細かいトラブルは付き物でした。人の事ばかり言えません。自分ではしっかり調べたつもりが旅先で迷うなんていつもの事。しかも私が不機嫌になると、なぜか雨が降ることが多い。逍遥とした雨の中、友達と二人で灰色の湘南の海を眺めていたこともありました。

 

20代を過ぎたころからは、遠くへ旅行に行くときは大体ひとりで出かけるようになりました。かといって旅がいつも快適だとは限らず、いろいろ困ったことになったのですが、結局それが、自分にとっての良い勉強でもありました。旅というのは、日常生活とか、仕事上では現れてこない自分の弱みが出てくるわけです。

 

多少悟ったこととしては、人は日常と仕事と、旅。この3つの状況を試さないことには、自分の強みも弱みも分からないし、またそういうはっきりしたことに限らず、運勢というか成り行きというか、そういう微妙な力が存在していることが、分かってこないのだろうなという事です。

 

あと、つくづく思うのですが、日本はどこへ行っても誰かと一緒に出掛ける人しか見ませんね。颯爽とひとりで楽しんでいるのはほとんど外国人だけです。どちらが良い悪いと言いたいわけでもないのですが、明らかに人として負けている印象を持ちます。

 

それと、「一人で旅をして寂しくないの」と聞いてくる方がよくいますが、寂しいのがそんなに怖いのかと思います。正確には「寂しそうだと他人に思われるのが恥ずかしくないのか」という事らしいです。ずいぶんとかわいい性格ですな。かわいい子に限らず、かわいいおっさんもおばさんも、一度くらい死に物狂いでひとり旅に出たらいいのではないでしょうか。