口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

また二本松の菊人形に来てしまった。

になると私の地元でも色んなイベントが行われる。その中でもひと際、異彩を放っているのが……

f:id:star-watch0705:20191010141859j:plain

である。

 

www.city.nihonmatsu.lg.jp

 

 これが始まると心がうずうずしてなんにも手に付かなくなる。でも、例えば誰かに「へ~、そんなに楽しみにしてるんですか?」と聞かれたら、「全然そんなことありません」と答えるだろうから、相手からすると意味不明だ。

 

説明が難しい。自分にとって菊人形とは、そこまで楽しみにしているわけでもないし、内容もだいたいいつも通りだろうから期待感もあんまり無いにも関わらず、何故か、行って、見て、確認してこないと心が収まらないような、そんなイベントだ。自分でも書いていて意味が分からないので、理解する努力は放棄してください。

 

 

f:id:star-watch0705:20191010141908j:plain

 ということで、やってきたのが福島県二本松市にある霞ヶ城公園。入り口には、あの有名な二本松少年隊の像がある。だいたいみんなここで記念写真を撮る。周りを見渡すと、お年寄りばかり。あとは、やたら浮かれた感じの熟年カップルとか……。私みたいにひとりで来ている人は皆無だった。

 

f:id:star-watch0705:20191010214617j:plain

この霞ヶ城公園は菊人形のようなイベントが無くても、一度は訪れることをお勧めする。お城は無いけれど、城壁の一部は再現されており、特に石垣が見事だ。何にも考えないで、ひたすらぼーっと歩くのにいい場所だと思う。

 

f:id:star-watch0705:20191010215645j:plain

f:id:star-watch0705:20191010141919j:plain

 チケット売り場の券売機で入場券(大人900円)を買い、ゲートをくぐる。するとまず、品評会用の菊がずらりと飾られたコーナーがある。

 

f:id:star-watch0705:20191010220347j:plain

こちらは ちょっとまだ早かったですね。見ごろとしては、あと一週間か二週間後になりそうだ。

 

f:id:star-watch0705:20191010141947j:plain

f:id:star-watch0705:20191010142011j:plain

f:id:star-watch0705:20191010142145j:plain

 そして、いよいよ菊人形がお出ましになる。菊人形のテーマは、NHK大河ドラマに沿った内容になることが多い。でも、今やっているのは思いっきり現代ですよね。菊人形のテーマには合わないと見たのか、今回は「源氏物語」の名場面に合わせて、菊人形が展示されている。

 

f:id:star-watch0705:20191010142115j:plain

f:id:star-watch0705:20191010142206j:plain

白馬に跨る源氏物語の主人公、光源氏。昔、瀬戸内寂聴訳の源氏物語を読んだことがあるけど、あそこに出てくるどの人間にも感情移入できず、読むのがつらかったのを思い出す。光源氏、やっぱイケメンだよな~と思ってよく見たら、これ、タッ〇ーじゃん。

 

f:id:star-watch0705:20191010142051j:plain

タ〇キーじゃん。もしかしたら昔、大河ドラマで「義経」をやった年に用意したマネキンを使っているのかもしれない。

 

f:id:star-watch0705:20191010142227j:plain

f:id:star-watch0705:20191010142233j:plain

途中で菊人形の実演コーナーもあり、お年寄りが虫のように集まっていた(失礼)。そこで、綾〇はるか似の人形を見つけた。いつもだと日の当たるところに華々しく立っているはずなのに、ここでひっそりとしているのが謎だ。平安の情景には向かないのだろうか。ところで、うかうかしていると会場のどこにいても記念撮影を頼まれる。一組撮影を終えると、「この人親切だから、あなたたちもお願いしたら~」と、他の友人を誘ってきたりするわけで、なし崩し的に長時間の撮影になったりする。俺はここのスタッフじゃねえんだぞ。一組撮影が終わったら、すぐさま忍者のように姿をくらますことをおすすめする。

 

f:id:star-watch0705:20191010142251j:plain

 途中、やる気のない売店がある。そこでフルーツ牛乳を買って、世間を眺めながらちびちび啜ると、ニートな気分でオツである。ニートといってもNeetじゃなくて、Neatの方。松原みきの『ニートな午後3時』的な感覚だ(?)。ただ、聞き耳を澄ますと、「もうこれが見れたらあとはいつ死んでもいいと思ってる」「○○ちゃんもだいぶ会話が成り立たなくなってきたね」などという峻厳性の高い会話を拾いがちであり、ふと、菊人形というのが、ある年代の人たちにとっての巡礼地のような役割なのかもしれないと感じられた。

 

f:id:star-watch0705:20191010142353j:plain

f:id:star-watch0705:20191010142417j:plain

会場の一角にはやる気のない動物園があり、同じくやる気のない動物が数種類いる。時間によっては触れ合えるようだが、私が行ったときはスタッフの休憩時間だったようで、やる気がない感じが充満していた。おそらくウサギだろうと思われる動物も全くやる気がなく、呼んでも全然こない。

 

🐰🐰🐰

 

あまりにも動物たちにやる気が無いので、会場を踏破するやる気を失った。もはやこれまでと思い、菊人形の会場を抜け、どこへ向かったかというと、霞ヶ城の本丸跡である。

 

f:id:star-watch0705:20191010142450j:plain

f:id:star-watch0705:20191010142612j:plain

f:id:star-watch0705:20191010142632j:plain

菊人形の会場から、秋風が吹き抜ける林の中を15分ほどのろのろ歩くと、立派な石垣が見えてくる。画像では伝わりにくいけれど、仰ぎ見るほどの高さがあり、圧巻だ。

f:id:star-watch0705:20191010142656j:plain

f:id:star-watch0705:20191010142723j:plain

石垣の上の本丸跡が展望台になっており、360°の大パノラマが拝められ、世界を治めた気分になれる。ベンチに座り、与謝野晶子が詩で詠んだ安達太良山を眺めながら、ファミマで買った霧島の水を飲む。最高だ。人間、負け組だの勝ち組とかいう基準では幸せにはなれず、もっと簡単で能動的な行為でこそ幸せになれると感じる。天気が良い日に、高いところに登って、座って水を飲む。これだけでいい。この余裕を長く持ち続けられることを、自分の幸せの信条にしようと願ってから、盛大に屁をこいた。

 

f:id:star-watch0705:20191010142810j:plain

 ちなみに、菊人形の会場近くにお食事処もあります。ただ、これから菊の開花と紅葉のシーズンを同時に迎えると非常に混みあいます。お弁当なんかを買ってきて、公園内の東屋とかベンチに座って、景色を眺めながら食べるのもいいんじゃないかと思います。