口から出まかせ日記【表】

こんな寒かったっけ冬

事情は分かるけど、気持ちは分かりません。

介な人間関係に巻き込まれて、その悩みを吐露しているブログを読むことがよくあります。会社の同僚や上司との関係。嫁や姑との関係。夫や息子との関係。友人との関係。恋人との関係。そういうのを読んでいると、人の悩みは人間関係に集約されているなぁ、と思わざるを得ません。

 

ブログで悩みを吐露する人の記述は、かなり詳細であることも多く、「そうそう。わたしもこういうことあったな~」と自分の経験と照らし合わせてみたりとか、「将来、こういう事に巻き込まれないようにしたいな~」と、後学の為になる内容であったりします。他人の悩みは、とても勉強になることです。

 

ただ、悩んでいる事を書き連ねたその最後の結びに、「こんな私の気持ち分かりますか」なんて書かれていることがある。そういう時は、「分かりません!!」と、パソコンの前ではっきり大きな声で応えます。より正確な感想を述べれば、「あなたの気持ちはよく分かりませんが、事情はだいたい分かります」という感じだと思います。

 

そう、事情なら理解できます。その人がどんな立場にあり、そこでどんなトラブルに合ったか。その内容を読み解けば、もし自分がその人であったとき、どんな感情を抱くかを仮想体験できます。もちろん、その事情の描写も著者の感情と共にあるわけで、そこに寄り添う事は十分可能です。それでも、「こんな私の気持ち分かりますか」と言われたら、「分かりません」と答えるのが、私なら誠実な判断だと思うわけです。

 

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その人の文章内にある描写以上のものを、勝手な想像で判断してしまう事は、事実を歪めることに繋がります。といっても、私も含めて、人はどうしたって憶測が好きなので、いろいろ想像するのはどうしようもないんです。だけど、その想像に絶対的な自信を持つのは間違っているよ、と思います。あくまで自分の想像力の中の、狭い世界の話でしかないと収めておいた方がいい。

 

その人と顔なじみで、実際に会う関係だったとしたら、ますます勝手な想像は自分の心にしまっておくべきです。重ねますが、考えるべきじゃない、とは言ってません。考えてもいいですが、それを見せびらかすのは、刀を抜くようなものだと私は思っています。

 

逆に、「こんな私の気持ち分かりますか」と容易に書いたり、口にしてしまう人も、私は危ういと感じます。これは言い換えれば、「勝手に私の気持ちを想像してください」と言ってるのと同じです。もちろん、その人の望み通り、読んだ人はいろいろ想像すると思いますし、親切な人はコメントもくれるかもしれない。しかし、それらがあなたの気持ちに本当に寄り添ったものかは、怪しいものですよ。

 

私なら、勝手にこちらの気分なり感情を想像されるのは、気持ち悪くて仕方ない。他人の感情を勝手に想像なんぞしてないで、自分の感情にもっと目を向けろと思います。誰かが体験した事情は簡単に役に立つけれど、感情そのものを誰かの役に立たせるのは、かなり難しいんじゃないかと。もし、感情にそれだけの価値観を込められるのなら、その人は作家になれると思います。