口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

スーツと信用。

無職ですが、たま~にスーツを着て出かけます。さすがに今の時期は暑いから、クールビズ仕様です。ポロシャツにスラックス、シューズインソックスに革靴。ぴしっと決めて、就活のためにハローワークへ向かうのでは全然なく、普通にその辺の図書館なんかに行って過ごすわけです。

 

なぜわざわざそんなことをするのかというと、

 

①就職した際など、スーツを着慣れていない感じだとみっともないから、普段から着慣れておこうという魂胆から。

 

②スーツとかビジネスカジュアルの「ステルス性」が便利だから。

 

理由としてはこの二つに集約されるんですが、特に②が強い。つまり「偽装」です。大体どこへ行くにも、ビジネスファッションらしい恰好なら、なんとかなってしまうんです。昔、スーツを着てひとりで池袋の水族館に行ったなぁ。全然問題ありませんでした。たぶん。

 

f:id:star-watch0705:20190826112520j:plain

 たいへん失礼。ニートの足なんて誰が見たいだろうか(笑)まあ、だいたい足元はこんな感じです。ユニクロで一時期「くるぶし出していきましょう」とか宣伝してましたが、暑い季節はそれを体現しています。上はポロシャツかなんかを羽織り、あんまりカジュアルじゃない、四角くて平べったいカバンを持つか、あるいはリュックサックを背負えば、すっかり公務員スタイルです。

 

さらに抜け目をなくしたいというのであれば、

こういった「吊り下げ名刺入れ」を首から下げます。私も20代の頃は常日頃、首からだらーんと下げていました。名刺じゃなくて、事務所の扉を開けるためのIDカードを入れてました。

 

「名刺なんか持ってないよ」という場合、何でもいいのです。TSUTAYAのカードでも、SUICAでも、昔の学生証でもいい。ここに入るものを入れておいて、首からダラりと下げておけば、それだけで「ステルス性」がぐぐっと上がるような気がするのです。

 

👔👔👔

 

スーツやビジネスカジュアルの格好で、さらに首から名刺入れを下げて出歩いた際の効果を最も実感したのが、飲食店に入るときです。特に平日のランチタイムの寿司屋(回転しないカウンターの寿司屋)や蕎麦屋などに入る際に、店員さんの態度がまるで違うという経験をしました。

 

 以前働いていた時のお昼時にお世話になっていた、お寿司屋さんや蕎麦屋さんに、無職になってから適当な格好(といっても無難な格好です) で行ったときの、店員さんの態度の 豹変には驚きました。

 

口調は丁寧ですが、明らかに邪険な扱いをされまして、けっこう空席があるのにも関わらず、 隅っこの狭い席に押し込められ、注文をするにもなかなか声が届かない場所でした。そのうち、サラリーマンの人がランチ目当てに入ってきましたが、明らかに態度が違う。客に好きな席を自由に選ばせて、セルフサービスなのにちゃんとお茶を持っていくのですから。

 

f:id:star-watch0705:20190826154154j:plain

後日、同時間帯にスーツを着て再訪したところ、以前の時と同じ店員さんの態度は一変。ニコニコした表情で迎えられ、好きな席へ座ることを許され、お茶も持ってきてもらい、「お勤めはどちらですか」なんて話し相手にもなってくれるのです。

 

これがすべての飲食店の共通の特徴だとは思いません。誰に対しても態度が変わらない真摯な店も知っています。ただ、少なくとも私の体験としては、こういうことがあったので、服装で人を見て態度を変える店はごく普通にあるという印象です(チェーン店ならそういうことはほぼ無かったなと感じます)。

 

それから、「なぜ勤め人の信用は高いのか」という根本的な部分が、お昼時にサラリーマンで一杯になる蕎麦屋なんかを眺めていて、改めて分かったような気がします。はっきりいって、近所に勤めている人が昼飯や夕飯を食べにお店に来なければ、ほとんどの飲食店はやっていけず、潰れてしまう。それは喫茶店も、本屋も、花屋さんだって同様でしょう

 

働くという事は、「街の扶養者」にもなることです。賃金をもらい、自分や家族を養うと同時に、街を歩いて、ご飯を食べたり酒を飲んだりする。コンビニでコーヒーを買ったり、本屋に入ったりする。そうやって多くの人が、生活の流れの中で少しずつ、いろんなお店にお金を使うことで、街というのは維持されている。街の規模と勤務者の数は比例します。誰も働かない金の動かない場所に、街はできませんしね。

 

子供の頃は、どの店も昼になると安いランチメニューを出すのが不思議でしたが、自分がスーツを着て、金を使うようになると、街というのはみんなで共働して維持しているものだということと、そのお金を使う人を呼び寄せるために、どの店も工夫しているというのをつくづく実感するのです。

 

そして、街の扶養者であるその象徴としての「スーツ」を着た人間の信用が高くなるのは、当然といえば当然なのかもしれません。スーツ万歳。と言いたいところですが、スーツは万能服ではありません。然るべきところで着るものです。スーツで富士山頂を目指さないでください。四国八十八か所を回るときはスーツじゃなくてお遍路の格好をしましょう。沖縄でシュノーケリングをするのにスーツはまるで向きませんぞ🐡