口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

黒塗りを巡る旅に出ようか。

 

昔、友人知人から、「ほし君が住んでるあたりって印象が薄いから、何があるのかよく分からないんだよね」と言われることがよくありましたが、その度に、意外な悔しさがあったものです。それに、言葉の使い方が下手な奴だなぁとも思ってきました。なにがあるのかよく分からないなら、「あの辺には何か面白い場所とか、観光できるところってあるの」って聞いてくれればいいのに。


その後、私の地元の福島県は言わずもがな色々ありすぎまして、目立ってしまったせいか、あんまり言われなくなりました。たまには「福島県って、福島競馬場とスパリゾートハワイアンズと鶴ヶ城の他に何があるの」みたいなことは聞きますが、以前のように悔しくなることは無くなりました。それどころか、「……じつは俺も全然分からない。福島県っていったい何があるんだろう。おい、誰か教えてくれよぉ。福島県に何かあるってのかよぉ。うおぉぉぉぉ」みたいな感じになります、心の中で。


実際、地元の人間であっても、自分の住む県や町ですら、まったく何があるのか見当がつかない所ってあるものですが、福島県は広いだけあってその範囲も広い。改めて福島県の全体図を、自分の感覚で眺めてみれば、実際は黒塗りの場所ばっかりで驚愕します。新潟県との県境のあたりとか、いまだに一体どうなってるのかさっぱり分からんぞ。


それどころか、もっと範囲を広げれば、東北地方なんてちょこちょこ明るい部分がある以外は黒塗りだし、日本列島全体を眺めてみると、今まで出張や旅行なんかで行った場所以外は、完全に黒塗りの未知が広がっている。つうか、自分の家ですら怪しいものです。押し入れのあの辺になにが詰まっているかも、もはや私にはわからない。家の中ですら黒塗りなのでございます笑。

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そういう黒塗りの場所を少しでも明るくしてやろうかと、小規模な旅を繰り返していた時があります。学業や仕事の関係で一時期暮らしていた場所などを再訪し、近所なのに全然歩いたことが無かった辺りをほっつき回る、みたいなことをしてました。自分と関係のある土地くらいは、少しでも解像度を高めておきたいと思ったのかもしれない。


とはいえ、別に私が住んでたところは観光地でもないし、大したものなどありません。民家。用水路。田んぼ。線路。コンビニ。自販機。変電所。せいぜいそんなもんですが、「俺はここに何年も住んでたのに、このあたりは知らなかったなぁ」なんて、ノスタルジーと新鮮な感じが合わさった、独特のエモさを感じながら歩くのが楽しい。今更、当時知ってたら役に立ったはずの近道だとか、もう閉店してるけど、住んでた当時ならばやってたかもしれないお店なんかを見つけて、微かな後悔をするのも、いいもんです。


当然、昔住んでいたアパートの部屋には別な人が暮らしてますから、あえて近くのビジネスホテルや民宿に泊まり、その部屋から、以前住んでいたあたりの風景を神妙な気持ちで眺めるのもなかなか趣があります。それから、あえて自分がずっと世話になっていたスーパーでつまみと酒を買い、ホテルに戻って飲んだりだとか。足繫く通っていた食堂で、当時食べていたのと同じものを頼んだりとか。かつてこのあたりの住人であった自分の行動をなぞりつつ、追憶に浸りながら、「これこそ年を取ることの光明のひとつであるよなぁ」なんつって、レモンハイを啜るなどする。


コロナウィルスが跋扈して以降、そんな旅にはすっかり飢えていました。が、朗報が。自分が思っていたよりもずいぶん早く、ワクチンを打てることになりました。来月中の前半には打てるようです。ワクチンを打ったら、遠くよりもまずは近くに遊びに行きたい。自分がかつて馴染んだ場所がどうなってるのか、確認したくて仕方ないのです。ああ、ワクチンを打った感想とか、このブログに書くかもしれませんし、書かないかもしれません。あんまり期待しないでくださいね😅

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記事の内容と全然関係ないんですが、最近驚愕したので貼っときます。