すこし前、会社の同僚がいちども入ったことの無い喫茶店になんとなく入ってみたところ、イケメンの店員がいたという話をしてました。「なんだってぇ~、どんなイケメンすか」と聞くと、「いやもう、あからさまにイケメン」というのです。そんなイケメンがこの近辺にいるなんてのが驚きだ。長年の労苦により、顔なんかもう滅茶苦茶になってるようなのしかおらんのだから。
とにかくそのイケメン、身長もそこそこあり、髪は流行りのマッシュ気味。さすがにマスクはしていたものの目元だけでイケメンだと分かるレベルだったらしい。外見だけでなく声も良かったらしく、「通って貢ぐ」とか同僚が言ってました。しかし、んなイケメンならさっさとジャニーズに入ればいいものを、なんでそんなカフェなんかでお茶濁してるんだ。天下目指せ。俺がジャニーさんなら「YOU、とっちゃいな、世」って背中推すよ。
それはいいとして、そのイケメンの話をしてるあいだ、同僚はやたら「ウケる~」とか言ってました。「ステキ~」とかじゃなく「ウケる~」なんです。イケメンの容姿をベタ褒めしつつも、受け取り方はあくまで「面白い人がいた」みたいな感じなのですよね。これ、私もなんとなく分かる感じがします。まったく期待もしていないところで偶然、美男美女に遭遇すると、確かにちょっと「ウケる」感じはあるかも。
先々月、収入印紙を買いに自動車学校に寄ったとき(収入印紙は自動車学校の窓口でも買えます)、広い受付にぽつーんとひとりだけいた女性が対応してくれたんですが、まるで鈴木京香かと思うような綺麗な人でした。こんな年季の入ったボロボロの自動車学校には全然似つかわしくないので、ちょっとウケましたね。用が済んだあとも、あんな綺麗な人がどういう巡り合わせであそこにいるのか、つい詮索をしながら帰りました。恋の始まりかこれ🌸
私が二十代のころに働いていた事務所では、厳重に箱詰めした書類を定期的に集荷してもらっていました。その荷物を受け取りに来る配達員の人が、だいたいいつも同じ人でしたが、これがとんでもないイケメンでした。キムタク以上だと思う。当然、職場の女性陣には大人気。ただ、それは単にかっこいいからというより、「定期的に現れる謎のイケメン」みたいな、その現象自体がウケる~みたいな雰囲気がありましたね。
集荷の時期が近づくと「あの人また来るかな~」と誰かしらが話題に挙げ、その当日が来ると、職場全体にワクワクした雰囲気が満ちてくるのです。で、いざそのイケメンが現れると、「キタ━(゚∀゚)━!」みたいな感じで、一時的にお祭り騒ぎになりました。その人の態度がとても謙虚だったのもポイントが高かった。女性陣に若干いじられつつも、ニコニコしながら無難に応えていたのを覚えてます。
要するに、一般社会にすっかり溶け込んでいる美男美女をみると、なぜかウケてしまうわけなんですね。なんでだろう。美男美女は華々しく芸能界で活躍するのが常だと考えているから、彼らにはあまり似つかわしくない場所で遭遇すると、私たちの脳は処理しきれずにバグってしまうのかもしれないぞ笑。で、ある種の防御反応として「ウケる~」になるのかも。
美男美女というのはもちろん見ていて良いものですけど、彼らがいることはある種の緊張感も生みます。もしかしたら、それを緩和するために、まずは別の感覚の壁を作り、その後ろに隠れながら様子をちらちらと伺うと。つまり、その壁が「ウケる~」であって、みんなでそこに隠れているあいだは、美男美女を安全に眺められるのかもしれない。でも、もしですよ、オーランドブルームみたいなイケメンがその壁を突破してきたとしたらどうしますか。あ、私なら全速力で逃げますね。悲鳴を上げて逃げて布団にもぐり込みます♨
ロックンロール界屈指のイケメンといったらクリス・コーネルでしょう。