口から出まかせ日記【表】

もうすぐゴールデンウィークですね(早)

遭難みたいな読書。

 

れっと、芥川賞と直木賞の発表がありましたね。ここんところ文学賞の会見なんかは、ニュース番組でもサラッと流されちゃったりするのがちょっと味気ない気がします。まあ、本当に興味のある人はネットでもなんでも情報をチェックするはずだし、私が受動的なだけでしょう。


ただ今回、「おお~」と思ったのが、芥川賞を受賞した佐藤厚志さんという方。仙台市の駅前にある丸善ジュンク堂書店の店員さんだそうですね。7年くらい仙台に住んでいた身からすると親近感があります。ていうか、今も仙台へ行くたびにジュンク堂で新書とかちょくちょく買ってるから、レジとかでお世話になったりしてたかも。

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ということで、なんとなく佐藤厚志さんの本は読んでみようかなと思ってます。そんなこと言いつつ、実際に本を購入するのは数年先になったりするから信用ならない。


ところで読書というと、賞を受賞した作品はとりあえず買っておいて、読んだり読まなかったりな人はたくさんいると思います。というか、ほとんどの人は流行に従って本を読んでいるんじゃないですか。流行っていっても、最新の本にしか効力がないわけじゃなくて、はるか昔ベストセラーになった本も後追いで買ったりとか。売れたという信用が興味を惹き付け、時を超えても売れ続けるのが書籍の世界でしょう。


一方、流行りとかあんまり関係ない読書をしてる人もいるはずですよね。どっちかというと私はそっちの方かなと思います。むしろ売れてる本ほど後回しにするタイプです。よっぽど好きな作家さんなら買うけども、そうじゃなければ、縁があれば読むだろうし後でいいか~みたいな感じ。それよりも、いま興味あることとか、たまたま目についた本を読むことを優先してます。

 

 

そんな「乱読」を続けていると、たまに自分が何を目指しているのか心配にもなってくる。そんなに読書の成果を期待して読んでるわけでも無いんですが、あっちこっちと本を読み漁って、そのまま何十年も経ち、結局なんにも残りませんでした、とかだとちょっとどうなのかなぁと。ある程度、持続的に探求できるジャンルを決めたいとも思うんですが、そのジャンルが右往左往するからつまり乱読になるわけですね笑。


私の読書って「遭難」に近いのかもしれない。それを意識するのが、たま~に、「ほしさんって普段どんな本読んでるんすか」なんて人から聞かれたときですかね。いろんな本のタイトルが頭に浮かぶけれど、結局、自分が何を読んでいたかぼんやりとしているのですよ。読んでるのに答えられない。「森の中でなにをしていたんですか」と聞かれて、はっきり答えられない、みたいな。


それに、やっと思い出して、大してメジャーでもない本のことを伝えても、相手は釈然としない顔をするだけだったりするのです。おそらくですが、「どんな本読んでるんですか」って聞く人の真意って、(この人、村上春樹とか読んでそうだな)っていう先入観で聞いてる場合が多いんじゃないですかね笑。だから、相手の予想しないものを伝えても、なにかがうまくいかない。


そういう食い違いを色々と経験しまして、「読書をする多くの人は、『ムラカミ・ハルキ山』や『ヒガシノ・ケイゴ山』などの有名な山に登る人で、名前も定かでない山に入って勝手に遭難する人はいないのだ」と悟ったのです。なので、どんな本を読んでるか聞かれたら、「やっぱ宮沢賢治は神ですわ。さようなら、カンパネルラ~」とかテキトーに答えて世を忍び、家ではよく分からない本をよく分からないまま読んでいる。そんな体たらくです。彼女募集中です。

 

たまには軽くおすすめ本を紹介。幕末から明治初頭にかけての市井のエピソードを集めた本ですが、情緒豊かな話が多くて本当に面白い。割と刃傷沙汰も多くて、大らかでもあり、剣吞でもあり、時代の息遣いをまざまざと感じることが出来る。