口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

のんびりとあきらめずに読みましょう。

 

年二月ごろ、どういうわけか地元の図書館では二週間ぐらいの臨時休館を挟むことが多いです。理由は施設内の点検など。二週間もいったいどこを点検しとるんじゃと思うんですが、もしかしたらそのあいだ、働いているスタッフの方がゆっくり休みをとっているのかもしれない。わかりませんけどね。図書館の仕事は利用者の側から見ても大変そうですから、休館の間ぐらい一息ついて欲しいと思います。

 

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臨時休館が始まる前に、たくさん本を借りに行くのが恒例になってます。普通だと貸出期間は二週間ぐらいですが、休館日のある月は、その期間を挟むこともあり、一か月近く借りれます。休館の間は当たり前ですが中に入れないので、ちょっと気合を入れて本を選び、カウンターに持っていきます。だいたいみんな似たようなことを考えており、私の前に並ぶおっさんも、山ほど本を抱えていたりします。


そんなに本を借りて読み切れるかというと、全然読み切れなかったりするんですが、本をワクワクしながら借りるだけでも充実した行動なんじゃないかと。なんかよく分かんないけど表紙やタイトルに惹かれるとか、自分の直感を働かせる場としても、図書館はいい所だと思いますし、なんとなく手に取った本が長い付き合いに成り得るとしたら、ちょっと素敵じゃないですか。


話が変わりますが、だいぶ前から、「最初の数ページ読んでみて、面白くない本なんて読まなくてOK」みたいな主張を聞いたりしませんか。私はハナからこの感覚に反発しています。「んなこと言ったら、古今東西の古典なんてぜんぜん読めんでしょうが、アホ」と思っており、いまも同じです。もちろん、本はその人の直感で自由に選んでいいものだけど、直感が最初の数ページで当たるかといえば、そこまで信用できるとも思ってません。もう少し分け入ってみてから判断するくらい、好奇心を出す余裕があってもいいんじゃないでしょうか。

 

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あと、最初の数ページで面白くないからや~めた、なんて言ってたら、いつまでも読書に箔が付きませんよ。読書を続けていれば、試練みたいな本にもぶち当たります。今まで読んだことのない厚さの本とか、内容が難解な本です。私の場合は、旧約聖書とかガリア戦記とか泉鏡花の本とかでした。諦めかけながら読み続けて、完読した時の「おっしゃ、読んだぞ」みたいな感慨に、いまでも自分は支えられています。本を読むほどに、あの本を読み切ったという確固たる自信が蓄積していくので、自分史として静かに誇れるのです。


あと個人的な考えなんですが、なるべく本は回避しないほうがいいと思ってます。いや、ほんとは自分も色んな本を回避というか読むのちょっとあきらめてるんですが(笑)、でも、自分にとってイージーなものだけを選んで、それ以外を回避する姿勢に慣れ切ってしまうのは嫌なんです。本だけじゃなく、他の何かを選ぶときにもそういう姿勢が身についてしまうのは、なんというか、浅瀬に流れ着いたものでずっとひとりで遊んでるみたいな感じ。あるときふと我に返って、途方に暮れたくないのです。


せめて自分にとって縁があると感じたものは、今後も試練の応酬を受けつつ、着実に質がいいものを選んでいきたい。多読とか、まったく惹かれませんね。読み捨ての言い換えではと思います。誰かと虚栄心を競うために読むのではなく、自分の充実感のために読んでいきたい。前に書いた気がしますが、図書館の机で分厚い本を開いて、なんか知らんけどノートに一生懸命書いてるおっさん。そういう人になりたいです。

 


泉鏡花「高野聖」(朗読:佐藤慶)