口から出まかせ日記【表】

酢の物が美味しい時期になりまして。

伝説と解像度。

 

こんところビックネームの訃報が続いて、心に負担がかかってる感じがします。坂本龍一が亡くなってがっくりきていたところへ、まさかムツゴロウさん(畑正憲)まで亡くなるとは思わなかった。ふたりの死に関連性はないけど、何かの計らいがあるんじゃないかと疑うような気分。世界が整理されてる感じがしてハラハラする。


話が変わりますが、ムツゴロウさんが亡くなった4月5日というと、洋楽好きな人はピンとくるかもしれませんが、ニルヴァーナカート・コバーンの命日なんですね。その当日の私のTwitterのタイムラインには、ムツゴロウさんとカートさんが同居してるという、なかなかレアな光景が見れましたよ。

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いつ見てもカートさんはイケメンやな。しかし、この人が亡くなったのはもう30年近く前。今でこそYouTubeで綺麗な動画を眺められるようになったけど、今から15年くらい前、私が後追いでニルヴァーナにハマった頃は、動画サイトの黎明期。今ほど物量も画質もたいしたことはなかった。


だからこそなのか、より「伝説感」がありました。バンドのレアな映像といえば、大体ノイズまみれでちらつきまくっているジャンクなやつで、それを眺めて興奮していたわけですが、同時に、自分の目でリアルタイムで見た人間と、そうじゃなかった人間との格差を悲しいほどに悟るしかなかったのです。

 

 

それがだんだんと、それこそかつては伝説といわれた、自分には届かない領域のものが、どんどんネットにアップされていきました。レアなライブ映像等、元々テープに保存されてたのをデジタル化して、さらに劣化した動画の修復技術も進化したことで、こないだスマホで撮ったかようにクリーンな映像がポンと出てきて、いまだにビビることがあります。


ただ、ここが肝心なとこですが、もちろん今でもニルヴァーナは好きですけど、かつてほど情熱があるわけじゃないんですね笑。あれから年月も経ち、他にも色々と聴いてきて、好きなバンドもジャンルも増え、ニルヴァーナだけが特別じゃなくなった。素晴らしいバンドであることは間違いないと思うし、映像や音源が増えていくのはいまだに新鮮で嬉しいです。ただ、得られる情報の質が向上して贅沢になっていくほど、バンドの伝説っぽさは薄れていくように思うのです。


はっきり表現すると、やっぱり伝説っぽいかどうかの決め手は「解像度」かなと。残されたものが雑で曖昧であればあるほど伝説っぽく、逆に丁重に保存されると、伝説感は薄れる。これは逆説的で、栄光を世に知らしめるため、人はなるべく丁寧にそれを保存しようとします。すると確かに、後々まで「メジャーな伝説」として語られたり扱われたりするけど、それは結局、アクセスが簡単なので「ビギナー趣味」みたいな扱いをされ、もっとコアな伝説を求める人には軽んじられる傾向があるんじゃないかと。


そういや、80年台の日本のシティポップとか、80年代風の映像とか。あとあえてフィルムカメラで撮影するのが流行ってたりしますが、これってつまりは解像度を下げることで、得られるものがあるということですよね。解像度が高いほど、実は大事なものを色々と捨てているのかもしれない。そこを繊細に感じ取っている人たちが、解像度の少しボヤけた時代の文化の良さをリスペクトしているのかなと思えたりします。

 

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ニルヴァーナより冒頭の「なんだこのおっさん」感が強い動画。