口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

人の眩しさにハマるんです。

 

都あたりは人出がヤバいそうですが、よりにもよって私の友人が遊びに行ったというのです。電話で感想を聞くと、「六波羅蜜寺で自撮りしてたら、なんか急に小島よしおに似てる外国人に背後に回り込まれたりした。海外的には他人の自撮りに入り込むのってアリ? そっちが王道なんすか?」などと言う。


他人の自撮りに入り込むのが文化の王道か知る由もないが、それってもしや小島よしお本人では、と言ったら、「小島よしおを馬鹿にしないで頂戴。本当の彼はもっと礼儀がある」などと知ったようなことを抜かす。あと、伏見稲荷の近くで売ってる「スズメの丸焼き」を見て泣いている観光客をみたら自分も泣けてきた。でも食ったら案外うまかったなどと畜生のようなことを言ってました。


話が変わりますが、私はYoutubeで海外から来て日本を満喫している方々の動画をよく観ます。たとえばこういうの。

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なにが良くて観てるかというと、「ずっと行きたかったところにやっと行けた!!」という歓喜の迸る感じが溢れるのがいいのです。また、その人がずっと行きたかったところが、案外、馴染みのある場所だったりするのがグッときます。それと単純に動画の作りがスタイリッシュなものが多く、眺めていてクールだからというのもある。


あとは、そもそも「日本になぜ興味を持ったのか」という部分にも惹かれますね。動画のはじめの方で、投稿者本人が日本へ興味を持つきっかけについて話してたりするんですが、これもまた興味深い。よくあるのは、「子供のころから日本のアニメをみてて~」とかですが、日本文化がどのように海外の人たちの意識に入りこみ、実際の行動へ促されていくのか。そのへんを探るのが面白いです。

 

 

ただ、こういう動画を好きでみている人への批判も聞きます。「日本文化が褒められることで、自分が褒められたかのような錯覚を覚え、自己肯定感が慰められて依存していく~」みたいなやつ。さらに、「背景には自身の生活に対する不満があり~」みたいな想像力をのびのび発揮する人もいる。私からすると、そういうのが動画に惹きつけられる理由になると言えないわけじゃないだろうけど、だいぶ違和感があります。


むしろ、こういう動画って自己肯定感の低い人には猛毒なんじゃないか。なんせ、動画に映るほとんどのものがキラキラしてるからです。映ってる本人だけじゃない。カップルや子供連れがいかにも楽しそうにしている明るい光景の中を動画は進行していく。しかも、良さげな店に入って旨そうなものを躊躇なく食べていたりと、羽振りの良さをこれ見よがしに見せつけられてしまうのですよ笑。


自己肯定感が慰められるのは、対象が自分と似たスケールの持ち主だからこそ、同情したり、時には自分が有利なように錯覚できるからでしょう。でも正直、動画を眺めててそんな感覚にはまず陥りませんね。むしろこの手の動画のキモは「矛盾」だと思うのです。経済的に成長を続けている圏内に住む人々が、落ち目の日本に喜び勇んで遊びに来ているという、そのギャップ。当の日本人である私は、その現象にまつわる背景に惹かれるわけですね。


またなによりも、日本に来る人たちはみんな嬉々として輝いている。この眩しさこそ、動画を眺めるモチベーションになります。望む場所に行けた人を見るのを喜ばしいと感じられるうちは、自己肯定感が維持されてると捉えたいものです。逆に、いよいよ私が限界を迎えたならば、「こ、殺すぅ」などと叫びながらPCのモニターを叩き割り、全裸になって小雪の舞う師走の空の下を駆けていくことでしょう。そしたら私のことは金輪際あきらめてください♨

 

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上の動画の続きですが、閲覧注意。いきなりパークハイヤット東京52階で優雅なディナーパーティーの光景が繰り出される劇物である。