Twitterで知ったのですが、私の住む福島市の鳥獣対策として、クマ・ニホンザル・イノシシの出没情報を確認できる「獣(じゅう)マップ」なるものが市のホームページで公開されたと知り、さっそく覗いてみたところがこの有様ですわ。
熊ベルトと猿ベルトが交差し、猪が闖入する。全国の皆さん、これが福島市です。https://t.co/jeJyEtky8n pic.twitter.com/eYiDqoWPEj
— ほし氏 (@hoshiboshi75) 2023年5月7日
どうよ。福島市の市街地の外側にくっきりと熊と猿の壁が出現している。しかも熊と猿の壁は一部重なっていて、特に西部に関しては熊と猿が入り乱れてとんでもないことになっています。さらによく見れば猪までおり、比較的市街地に近い場所でも発見されているのです。
懸念すべきは、よりによって熊と猿が入り乱れてるあたりに普段好んで出かけているという事実です。このブログでよく花の写真とか川の写真とか載せてますが、ちょうどその猿&熊の出没地域の真っ只中で撮ったりしていることが多いのですよ。いやぁ、その割には随分と呑気に歩いていたことよ。
ちなみに野生の猿に遭遇したのはここ数年で何度もありますが、野生の熊を目撃したのは今まで生きてて一度だけです。猿はバイクで山道を通ったら群れでゴロゴロ寝転んでたりと、たぶんタヌキよりも遭遇しているはず。熊は人の車に乗せられて山の中を走ってた時、斜面に一頭だけで佇んでいたのを偶然みましたが、怖いとは感じませんでした。安全に眺めてたからでしょうけど、妙に感激したのを覚えてます。
森の中なんかに入るとき、用心のため熊鈴をいちおう持っていきます。ある本によれば、もちろん熊に人の存在を知らせる役目をするので、本来的に人を恐れる熊ならば効果があるそうです。しかし、熊にもそれぞれ性格の違いがあり、中には人がいることを承知で近づいてくるのもいるらしい。怖いもの見たさで人に興味を持つ熊がいるんだそうですね。若い熊ほどそういう傾向があるとか。
人からすれば熊は大きくて速くて強くて怖い動物というイメージですが、熊にとっても人は大きくて(二足歩行で歩いてるからなおさら)、どこにでもいるし、自動車で高速移動していたりもして、わけわからんぐらい強い動物と認識してるらしい笑。だから熊は普段とても気を遣って生きているそうですね。とにかく目立たないようにしている。でも、運悪く人に見つかればやたらと騒がれてしまう。
そう考えると、セルフイメージに随分とギャップを持つ者同士で隣り合って暮らしているわけで、親近感が湧きませんか。だからと言って、お互いに手を取り合って仲良くしていきましょうという話でもない。要は、「互いに自分の住む世界を守ろう。そしてなるべく互いに干渉しないようにしよう」という暗黙の了解を、人と熊のあいだで交わしつづけているわけです。そういう意味で、人と熊は古くから交渉を続けてきた身近な同志ともいえる。
その上で、自然環境の中に入ることは、人と熊のあいだにある暗黙の了解をちょっとだけ試す行為でもあるわけですね。お互いに配慮が効いていれば、衝突をすることなく行き過ぎることもできる。しかし、どちらかが、もしくはお互いに下手な真似をすると、害を伴うことにもなりかねない。そういったことを頭の隅に入れつつ、私は今後も性懲りも無く森を徘徊するとは思いますが……🐻
上で書いてる熊の知識は大体この本の請け売りだったりします。熊のことが本当によく書かれたいい本です。