口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

あの映画を耐えられたのなら、という感覚。

 

画を観に行くかどうか迷っています。例の超話題作のことです。皆さんもうお分かりでしょう。

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はいそうです。ラッセルクロウ、ヴァチカン、エクソシストと、私の好きな要素が三色団子みたいになってるこの話題作。しかもこれ、なんと実話が元になっておるらしく、ヴァチカンに実在した神父と悪魔との「壮絶な戦いの一部始終を映画化」と堂々銘打ってある。もうここまで読んだだけで『君たちはどう生きるか』より13倍ぐらい面白いんじゃないかという気がしてきませんか。


もちろん宮崎駿監督の新作は気になっているんですが、評価が分かれているようですよね。個人的に尾を引いているのは、こないだ私がTwitterでスペースを開いた時、さっそく観にいったという映画通の人が「つまらなかった」とはっきり明言していたのが衝撃的でした。つまらないにしても色々あるんじゃないかと思い、「アニメの作画はすごかったんじゃないですか」と聞いたら、すごいところはあっても、つまらなさを払拭できるほどではなかったようです。マジか。


となれば俄然、もののけ姫のアシタカのごとく、曇りなき眼で見定めてみたくなるものの、最近は映画料金も上がってきており、割引が効かない日だと一本1800円ぐらいかかります。1800円でラッセルクロウ主演『ヴァチカンのエクソシスト』を観るか、宮崎駿の最終作となるかもしれない『君たちはどう生きるか』を観るか。もしくは酒代に消えるか。もう少し迷わせてください。人間だもの。迷っているうちに今年が終わるかもしれんけど。

 

 


そもそも映画って、観るのによってはなかなか耐久力が必要だったりします。だからこそ、サッと観に行きたくなるのもあれば、観ようかどうしようかグダグダ悩んだりするもんじゃないでしょうか。さらにいえば、その人にとって耐久力の必要な映画を観た体験が、その後、観る映画を選ぶ上での基準になると思うのです。そういう意味で、私が今までにみた映画の中で最高に耐久力が必要だったのがこれ。

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何度か当ブログでも紹介してますが、タル・ベーラ監督の『ニーチェの馬』です。これ以上に耐久力を消耗した映画はありません。特に劇的なドラマも無く、じゃ、つまらないのかと言えば、そういう次元じゃない。「完全な暴力としての退屈」を体験できます。ひたすらに乾いた貧しい生活風景が続きますが、かつて人はこれほどに静寂で退屈で侘しい生活を送ってきたのかと感動すら覚える。静謐でありつつも、常に不安が渦をまき、暴力の描写もないのに激烈な暴力に溢れている。


この映画を観てから私の中に基準ができました。「退屈な映画」という評判を聞いたら、この『ニーチェの馬』が思い浮かび、あれに耐えた自分ならば楽しめるかもしれないと期待できるのです。とりあえず、自分には受け入れられるかどうか、ある種の実験体として映画館へ自分を送り込む、という感覚で映画を観に行くのはいいかも、なんて考えてます。

 

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生きるのがツラいな〜と感じたときは案山子男シリーズをみましょう。