口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

「特技」とかいわれるといつも困ります。

因果なことですが、この世に生きていると書類的なものに、自己紹介的なことを書かなければならない場面が多々ある。生年月日、性別、趣味、好きな言葉、所有資格なんかは別に、偽装するつもりがないなら困ることもなく書けます。が、「特技」というところではいつも詰まってしまう。

 

思い出せばもうかれこれ20年以上そんなことに苦しめられている。古くは小学校の文集から、現在は、はてなのプロフィール欄に至るまで、「特技」では頭を抱えさせられています。

 

はっきりいって、特技なんてありません。そこまで得意なこともないし、苦手なこともあるにはあるけれど、そこまで多いわけでもない。突出したところのない凡人であります。特技なんてのは、いったいどうやって手に入れるのだろう。よく分かりません。

 

例えば、料理が得意、ピアノが弾ける、歴代の総理大臣が全部答えられる、みたいな人は相当な人数いるでしょう。では、その人たちは、何を基準として特技だと堂々公言できるのか。これは個人個人で感覚が違うのでしょう。

 

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たとえば、猫ふんじゃったが世界最速で弾けたとしても、ピアノが特技とはいえません。「猫ふんじゃったが世界最速で弾ける」という狭い範囲のスキルでしかないのです。厳密に「ピアノが得意」と公言するからには、技術力はもちろん、ピアノのコンクールで入賞したりといった、その人にとって評価の対象となるか、ある程度実証できるかがポイントとなるはずです。

 

だから、「特技」の欄があっても、そう簡単においそれと書いたりできないなと思っています。自分の特技を書いたとたんに、その特技に責任感が発生してしまう。その特技を背負って生きていかなければならない感じさえする。

 

なにかの機会があって、特技を披露しないといけない場面が来たら面倒ですしね。特技というからにはある程度の完成度が求められるかもしれない。いざ自信ありげに披露してみて、微妙な反応をされたらつらみがある。その結果、「お前らがやれってゆうたやんけー」「おめーその程度で特技とかほざいてんじゃねーぞ」などと、責任の擦り付け合いから、人間関係の冷戦状態へ至る可能性もある。

 

と、そういうくだらないことをいちいち想像してしまう人間なので、「特技」なんてものは個人的には要らないし、得意なものがあったとしても簡単に「特技」なんて公言しないで、自分の中に収めておくのが一番じゃないかと思っているのです。

 

そもそも、自己紹介として「趣味」や「特技」や「好きな食べ物」などと、いちいち分けられているのは子供っぽいと思わないだろうか。カテゴリー別に腑分けされてちょっと悔しいとか感じないのでしょうか。自分にとって重要な情報くらい、自分の中でまとめて置くべきです。自己紹介なんて、名前と来歴以外は全部空白にして好きに書かせればいい。自分に関して一冊の小説か論文ぐらい書けるようになっているのが理想だと思うのです。