口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

成功例の底なし沼。

 

急事態宣言も解除されたし、久しぶりに街に行って用事を足してきて、その帰りに本屋さんに寄りました。そこは老舗で、私の生まれるずっと前からある本屋さんです。潰れてなくて良かった。数か月ぶりに入ってみたんですが、棚の配置がいつのまにか変わってて、コーナーのひとつが丸ごと全部、すんごい強気な言葉がいっぱい書かれた自己啓発本で埋め尽くされてました。思わず「ぎょぎょーッ」と、さかなクン風のリアクションをすると同時に屁をこきましたね。

 

一世を風靡している人とか、昔ちょっと風靡してた人の出した本がずらりと並んでいて、自己啓発本の見本市みたいな感じで壮観な光景でした。もともと、自己啓発系の本を堂々と並べる感じの店じゃなかったので、方針転換をしたんだろうか。ちなみに、自分は自己啓発本が嫌いなわけじゃなく、むしろ話題になってる本は割とすぐ買って読んだりします。こういう本は、はじめて読み終わった直後に一番効果がある気がしますね。なんか理論武装されて自分がちょっとだけ心強くなった感じがしませんか。

 

でも、自己啓発本というものに疑問もたくさんあります。一番の疑問は、「そもそもそんなに成功例って必要なのか」ということ。何かの分野で成功すると、その人の成功例が書かれた本が出ます。成功している人は世の中にけっこうたくさんいるから、あっという間に新しい本がたくさん出版されますよね。でも総合的に考えて、そんなに成功例を売っても、実際に効果ってあるものなんでしょうか。あるとすれば、この国の景気だとか生産性って、もっと高まる気配ぐらいあっていいんじゃないかと。

 

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あと、もう一つ疑問としては、「成功例って実際にそこまでレパートリーがあるものなのかな」ということ。自己啓発本が並んでる棚の前に立つと、「これって実は全部同じこと書いてあるんじゃないの」と思う時があります。もちろん細部は、それぞれ本を書いた人の職業等によって違って来るのだろうけど、成功例の大筋みたいなのは、だいたい似通ってくるんじゃないかと、勝手にそう思っています。

 

あと、(ごめんなさい畳みかけてます)自分としては自己啓発本って「ファンアイテム」の側面がかなり強い気がするんです。ある有名人の魅力を補完するアイテムの一つという感じ。例えば、アイドルが水着の写真集を出すように、有名な起業家は自己啓発本でビジネス理論を語るわけです。どちらもある意味で「露出」していることは共通項であり、ファンにとっては押さえておきたい部分を秘めているんでしょう。

 

自己啓発本の悪口はここまでにしときますか(笑)。あらためて言いますが、別に自己啓発本が悪いなんて思ってないです。私も勉強になる本はいっぱいありました。でも、実際に読んでみて言えることは、自己啓発本の内容は手段として、現実社会で活用するのならいいけれど、言葉に酔うだけの目的に使い、それに依存してしまうのは危ないなと。

 

成功例の知識をインプットばかりしていたら、いつのまにか足を取られて体が動かなくなり、どんどん沼の底に沈んでいくみたいな。これ、他人事じゃなくて、「知識の海に沈みたい」みたいな性癖が私には多分あるので、気を付けていきたいです。