口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

お父さんはキャッチボールより自分の好きなことをしなさい。

園なんかで、たまに父親と子供がキャッチボールとかしてますよね。その様子を眺めて、「こころ温まる光景だなぁ」なんて感じる人もいるでしょう。でも、私の観察の範囲だと、楽しそうな顔でキャッチボールしている子供なんてみたことがない。恐縮した新人社員みたいな表情の子ばかりです。

 

父親の方はどうかというと、とくに機嫌がいいわけでもなく、なにか不満があるような顔をしている。お互い、そんなに楽しんでいないというのが外から見ていて分かります。父親が子供に自分の厳しさを教え込んでいるんだとしたら、なにか幼稚で、大人げない風情がある。気の毒だなと感じることの方が多いです。

 

私が父からキャッチボールに誘われたのが、たぶん3回ぐらい。回数が少ないので、逆によく覚えています。今ぐらいの寒い時期でしたね。家でプレステかなんかやってたら、「ゲームばっかりするな~」みたいに言われ、急に家の前で父とキャッチボールすることになったのです。

 

ただ、うちの父、キャッチボール下手くそなんですよ(笑)。捕るのも下手だし、投げるのも下手。私、わりとキャッチボール得意なんで、こっちからすると、「なんで下手なくせに俺を誘いやがったんだ。しゃらくせえ」という感じでしたよ。何度か殺す勢いで投げてやったら、そのあと誘われることは無くなって、よかったです。

 

    f:id:star-watch0705:20191217145203j:plain

 

子供からしても、「キャッチボールしよう」という提案って、安直だなと感じるんじゃないでしょうか。キャッチボールを通じた目的が見え透いているし、キャッチボールという方法自体、だいぶ陳腐化している気がする。おとなしい素直な子なら、それを感じつつも、父親に付き添ってあげるのかもしれない。恐縮の表情をしながら。

 

思うのですが、世の父親は、自分が本来好きでもないキャッチボールを子供とするよりも、父親本人が好きなことをしているのを、子供のすぐ近くで見せる方が、子供の信望や理解を得られるのではないでしょうか。そしてなるべくなら、なにかしら父親が熟練した技術を身につけているというのが理想じゃないかと。独身者の勝手な想像ですが(笑)。

 

私の父はスキーが得意です。80年代のバブルに青春を送った人らしく、スキーが滑れないと女の子にモテないので一生懸命練習したようですが、なかなか見事な滑りっぷり。子供の頃、私は猛烈に嫉妬しまして、「なんであのデブがあんな軽やかに滑れるんだ。あり得ん!!」と内心で思い、父親を凌駕しようと、スキー場に連れて行ってもらっては、朝から晩まで練習しました。

 

捻挫、打ち身、擦り傷を多数こしらえつつ、父と並んで滑れるようになった時は、とても世界が明るくなった気がして、爽快でした。父からはなかなか厳しい教えを受けたんですが、厳しさの先にあるのは、楽しむための明確な技術であるため、受け入れるための理屈は通ります。

 

父親が態度だけで厳しさを子供に教えようとしても、子供としては閉鎖的で面白くないでしょう。父親は意味もなく厳しい、と知るだけです。それより、なにかしら明確な技術が先にあり、その技術の習得の中に父親の厳しさが込められているのならば、私は厳しさに意義はあると感じます。やりすぎはマズいですが。