口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

人の情熱に挟まれるモチベーション。

 

人に50代にして社交ダンス教室に通い始めた人がおり、会うたびに話を聴いてあげているのですが、まだマスクをしながらの練習らしく、息が続かなくて死にそうになるみたいです。が、彼より年配の60代・70代の人たちは軽く1時間ぐらい踊り通しても余裕だそうで。「あの人ら異星人だよ。肺呼吸じゃないよ」とか言ってました。


ダンスは前から興味があったそうですが、さらなる崇高な理念として「若いエキスが吸いたかった(本人談)」らしく、要は20代・30代の女子と合法的に関わりたかったようです。が、完全に当てが外れた模様。結局、クラブ内では50代の彼が1番の若手、60代ですら中堅。70代でようやくクラブ内で面目が立ち、最高齢は90代だそうです。まぁ、男女比率は2:8ぐらいらしく、花園には違いない。


クラブは夕方からほぼ毎日のように開いており、しかし知人は体力が追い付かず、週2回ぐらい通うのがやっとのことみたいですが、自分の母親とさほど変わらない年齢の部員から、「あなたもっと練習量を増やさないと上手くなれない。せめて週4日来なさい」などといわれ、つらくて布団の中で泣いたそうです。そんなつらいんならやめりゃあいいじゃないですかと当然の感想を伝えたところ、「なんか悔しいから頑張ります」とか言ってました。


ところでそのクラブの70代ぐらいの方々は、年金だけで悠々暮らしているわけでなく、日中は介護施設や造園業などで働いているらしいですね。というか、それ以前の40代前後の頃から、仕事をした帰りに教室に寄って踊る。そんな生活のパターンを続けているのだろうという話です。「人の流動が無くて関係性も狭いから、あいつが続けるんだったら俺も続けられるみたいな、もう身内同士の意地で成り立ってる気がする」とは、その知人の感想。

 

 

社交ダンス教室の話を聞いてると、モチベーションが生まれるかどうかって、やっぱりその場の空気というか場所柄の影響が強いんだろうなぁと思いました。自分の前に先行者がいて、後には後継者が控え、お互いがお互いの行動を意識し合いながら切磋琢磨している。そういう人間関係の圧力に身を置くことそのものが、「モチベーションの発電装置」として機能し、どこか個人の意思を超えて、継続する力が生み出されているような。まぁ、けっこうよくある状況だとも言えますけどね。


んで、とりあえずそのダンスクラブに新人が入ったことは、本人だけでなく、その場全体のモチベーションにとっても意義のあることでしょうね。それまでクラブにいた60代の「若手」には後継者がいなかったのです。そこに50代の新人が入ったことで、「先行者 - 自分ら - 後継者」からなる、新たな人間関係が組み直された。つまり、上でいった「モチベーションの発電装置」に組みこまれたわけで、中堅の部員たちは練習にますます精を出すかもしれず、さすれば、ダンス教室自体の評価も高まるかもしれない。


「でも、なんかそういう部活みたいな場って苦手だ」って人もいるでしょうし、私も割と苦手で逃げ回ってきた人間ですが、じゃあ、今こうしてブログを書いているモチベーションは人間関係の圧力と無縁かというと、まずそんなことは無いでしょう。数が多すぎて実感しきれていないだけで、実際には無数の人の圧力に潰されているから、ブログを書くモチベーションが保てているのだろうと思いますよ。


でも、私には明確なライバルとなる先行者だとか、後ろを追いかけて来る後継者がいるわけじゃない。じゃあ、なにがモチベーションになるのかというと、そうですねぇ。将来的になにかしらの明確な利益だとか、立場が与えられるかどうかも分からない、つまり、ゴールが見えないままブログを書き続けている。そんな多数の情熱の流れの中に参加していること自体がモチベーションの根源かなぁ、なんて思いましたとさ。今後、結論に困ったときは最後、「とさ」で締めていこうと思います笑。

 

www.youtube.com

鮎川誠さん。天国でまた奥さんとバンドやってて欲しい。