口から出まかせ日記【表】

GWで浪費すると母の日にツケが回る。

歴史が散歩を楽しくする。

国でもすっかり定着した日本語があります。カラオケ。盆栽。漫画。豆腐。俳句。オタク。ひきこもり。かわいい。忍者。変態。これらは、だいたいそのまま通じるようです。アイムアヘンタイオタクヒキコモリ&マイホビーイズカラオケボンサイハイクマンガ、オーケィ? とでも言えば自己紹介は完璧ですね。

 

 

ところで、近所を散歩していて、ふと、「散歩という言葉に該当する外国語はあるんだろうか」と思い、家に帰ってからちゃちゃっとネットで調べてみたのです。

 

www.tekiro.main.jp

 上のサイトを参考にすると、英語では味もそっけもなく「ウォーク」です。目的語を添えることで歩く意味を補填する必要があります。一方、フランス語の「プロムナード」や、イタリア語の「パッセンジャータ」となると、「ゆったり歩く」「そぞろ歩く」「逍遥する」なんていう文学的な意味が込められており、日本語の「散歩」と近いニュアンスがあるようです。(英語でも「ストロール」という、より散歩に近い印象の単語もあります)

 

ところで(二回目)、散歩歴が約20年の私の経験から言わせてもらうと、散歩の楽しさの決め手となるのが、「歴史」ではないかと思います。散歩をするその場所に、歴史を感じさせる何らかの要素があるかどうかが、散歩の質に関わってくるということです。

 

私の家は郊外の住宅街のど真ん中にありますが、はっきりいって、散歩には向いてない場所柄です。行けども行けども、民家とアパートと電柱しかない。新築の家を眺めたり、自販機を意味もなく眺めたりなど、自分で工夫をしていかないとまるで面白くない土地です。

 

star-watch0705.hatenablog.com

 

逆に、趣のある商店街だとか、かつての宿場町の面影があるとか、寺社仏閣が立ち並んでいるだとか、歴史が残留していると感じられる場所は、何も考えずに歩いていても、楽しいし、歩きがいがあります。

 

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それは何故だろうと、不思議に思うわけです。どちらも歩いていることには変わりはないのに、ただの住宅街を歩いていても心がときめかない。でも、古い木造の民家が立ち並んでいると、とても居心地のいい気分がするし、歩いていて幸せな気持ちになります。

 

思うに、それは、人が歩き続けた歴史のある場所だから歩きやすいのではないでしょうか。微妙な言い方ですが(笑)。つまり、人が過去に長く息づいていた土地には、人の目には見えない「轍」のようなものが残っている。そこに沿って歩くのは、なにかとても懐かしいような、馴染んだ感覚があり、それが感情にも影響していると感じるのです。

 

自分は30年くらいしか生きていません。しかし、何百年もの歴史のある場所を歩いていて、その歴史を実際に長く眺めてきたわけでもないのに、懐かしさや馴染みを感じるのは、決してその土地の歴史を勉強をしたからではありません。そこを歩くことで、自分の人生とは違うスケールの時間軸を感じられるからです。

 

感じられる要素は散在しています。古い建物とか、古びた匂いとか、色々ありますが、私たちはそれらが、「歴史があって価値があるから懐かしく感じろ」と指導されたわけでもなく、懐かしく感じられる。これは考えてみれば凄いことで、目に見えている以上のものを感じられるからでしょう。もちろん、知らないうちにどこかで情報を刷り込まれているのかもしれませんが。

 

なんだかややこしくなってきたのでまとめると、歴史のある場所を散歩して楽しい理由は、そこ歩くと自分の感覚のスケールが変化して、過去の時代に思いを馳せることができる、謎の力が働いていること。そして、もし外国人に道を聞かれたら、アイムアヘンタイオタクヒキコモリ&マイホビーイズカラオケボンサイハイクマンガ、オーケィ?と答えれば万事OKということです。以上。